2020年東京五輪へ 外国人指導者の力

昨日、スペイン代表でW杯優勝経験もあるイニエスタ選手がヴィッセル神戸でJリーグデビューし、話題を呼んでいます。有名選手のプレーを一目見ようと、スタジアムには観客が押し寄せ、会場で販売していたTシャツが売り切れるなど盛り上がりを見せています。

実績のある選手、特に世界大会で好成績を残した選手のプレーや練習はぜひとも参考にしたいと誰もが思います。

2020年東京五輪での成功を目指し、国内競技団体が世界的に実績のある指導者の招請を進めています。

外国人指導者の招請は代表チームだけでなく、その競技全体に良い影響を及ぼします。

私は大学でボート部に所属しています。ボート競技では2015年に、ギザビエ・ドルフマン氏をナショナルスポーツディレクターとして招請しました。ギザビエコーチは現役時代、シドニー五輪男子軽量級舵手なしフォアで優勝経験があります。また、指導者としても指導したクラブチームからフランス代表を多数輩出しています。

ギザビエコーチの指導方法は新鮮で、国内のボート関係者の注目の的です。「ギザビエ氏の教える漕ぎ方はこのようなものらしい」「代表チームはコーチの指示でこのような陸上トレーニングを行っているらしい」といった言葉が、選手の間でも交わされています。

そして、ギザビエコーチの講演会が開かれるなど、その指導理念が代表チームだけでなく国内のチーム全体に広がりつつあります。

世界レベルの指導者によって従来にはなかった視点での指導を受けることができる。そしてその方法が広がり、競技全体のレベルアップにつながる。そんな効果が期待されています。

日大のアメフト部での不祥事や、女子レスリングでのパワハラ問題など国内の指導者トラブルが相次ぎました。その原因の究明は必要不可欠です。しかし、海外から新しい風を吹き込むことで旧態依然とした状態を脱し、大きな変化をもたらすことも有効だと思います。

2年後の五輪で、メダル獲得数が過去最多になることを期待します。そして、個人的には日本人ボート選手が初のメダルを獲得し、それを契機にボート競技の知名度が上がり競技人口が増えることを期待しています。

参考記事:

23日付 読売新聞朝刊(大阪13版)21面(特別)「海外から「優勝請負人」」