知ってる?ファンドレイザー NPOを支える人々

「TENOHASI」という団体でホームレス支援ボランティアをしています。(過去の投稿「心配し、される関係 ホームレス支援の現場から」)この話をすると必ず聞かれるのが「やろうと思ったきっかけは?」ということ。ホームレス問題に対してはもちろんのこと、元々NPOそのものにも関心がありました。どんな仕組みで運営されているのか、どんな人が関わっているのか。組織の一員になって、知りたいと思いました。

今日の朝日新聞によると、NPO法人の数は4月末時点で5万1千を超えています。多くの団体が社会課題の解決をミッションに掲げています。

私のように特別な資格を持たず、身ひとつで活動している職員やボランティアもいますが、弁護士や公認会計士などの資格があると重宝されます。たとえば生活困窮者への賃貸アパート仲介事業などを行うNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(新宿区)では、物件探しや契約手続きを円滑にするため宅地建物取引士の資格を持つスタッフを確保している、と読売新聞が伝えています。

いま、私たちの団体が必要としているのがファンドレイジング(資金調達)の担い手です。国内では日本ファンドレイジング協会が「准認定ファンドレイザー」「認定ファンドレイザー」の技能検定を実施しています。日本では一部の有力団体を除き、ファンドレイジングの専任職員を置いているところはそう多くない印象です。活動費用の大半を寄付金でまかなっている団体としては、財団などの助成があると非常に心強いです。日々の業務でスタッフは精一杯なため、資金調達先を見つけ、交渉をしてくれる人がいると助かります。

NPOをサポートするのが目的のNPOもあります。ちょうど今、団体の新しいパンフレットをつくっているのですが、デザインは美術大学の学生さんに依頼しています。彼は、主に社会活動をしているパートナーの媒体やイベントなどのデザインを請け負う、学生デザイン団体の代表です。ミーティングではいつも第三者の視点からの斬新な提案に驚かされつつ、自分以上に団体のことを熱心に考えてくれていることが伝わってきます。「自分もTENOHASIの一員だと思ってやっています」と言ってくれたときは嬉しかったです。

NPOの応援のかたちには、寄付や口コミ、SNSでのシェアなど、いろいろあります。母は、私が活動を始めてから寄付や、炊き出しの時に配布するカミソリや下着といった物資を送ってくれるようになりました。秋田に住む母は、本来なら関わりのない東京の団体に寄付することはなかったと思います。サポートしてもらうためには、知ってもらうことも大事です。就職で東京を離れると今のように現場に行くことはできなくなりますが、自分のできることを続けるつもりです。

参考記事:
20日付 朝日新聞朝刊(東京13版)7面(総合5)「教えて!NPOで社会を変える①」
同日付 読売新聞朝刊(東京13版)28面(地域)「生活困窮者にアパートを NPO仲介事業 貸し手断り、下見も困難」