昨日、午前7時58分頃、大阪府北部を震源とする地震がありました。高槻市など5市で震度6弱を観測しました。
今朝の読売新聞によると、4人が死亡、381人がけがをしたということです。中でも、小学生がプールサイドのブロック塀の下敷きとなって死亡した事故にはいたたまれない気持ちになりました。
以前、知人の家にブロック塀がありました。今はもうないのですが、昭和40年代に建てられた8段のものでした。今回と同じく、地震などの自然災害によって倒壊したそうです。幸い、家の中にいたため、直接被害にあうことはありませんでしたが、大きな力がかかれば、いとも簡単に倒れてしまうのです。
ブロック塀の倒壊は過去の地震でも問題になっています。1978年の宮城県沖地震では18人が下敷きとなって亡くなりました。それに伴い、建築基準法施行令が改正され、高さの上限が3mから2.2m以下に引き下げられたのです。ですが、また同じようなことが起きてしまいました。
事件を引き起こした、市立寿栄小学校のブロック塀は、建築基準法に適合していなかったことがわかりました。高さが、基準値を大幅に上回る3.5mもあるのに加え、補強する「控え壁」も設置されていませんでした。
過去からの教訓を生かしていなかったのです。
倒壊したのは上方1.6mの部分で、その下の1.9m分のブロック塀は倒れていません。義務付けられている「2.2m以下」という基準を守っていれば、小学生の命を奪うという最悪な結果にはならなかったのではないでしょうか。
国がいくら法律を改正しても、社会が実際に変わらなければ意味がないと思います。学校の施設であるのに、ブロック塀はなぜ耐震調査の対象外だったのでしょうか。責任があるのは、高槻市だけではないと思います。これまでの国の法律、取り締まりに問題がなかったとは言い切れません。
日本各地で震災が続く今、同じことが二度と起きないよう、経験から得た教訓を生かすことが急務です。
参考記事:19日付 朝日新聞朝刊(13版) 37面 「崩れた塀 小4犠牲」
同日付 日本経済新聞朝刊(14版) 39面 「ブロック塀、基準不適合」
同日付 読売新聞朝刊(13S版) 1面 「学校塀 全国点検へ」