災害時こそデマに注意! 噂が嘘に変わる時

はじめに、今回の地震で被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。

18日午前7時58分ごろ、大阪府で震度6弱を観測する地震がありました。この記事の投稿時点で死者は3人、けが人は290人以上と報じられています。電気ガス水道といったインフラだけでなく、交通網もマヒしています。余震も続いています。大阪府で震度6弱以上を観測するのは観測体制が整った1923年1月以来、初めてでした。

私の住む東京で揺れを体感することはありませんでしたが、全国設定にしてある防災アプリが鳴り出したことで、気が付きました。慌てて防災科学研究所の震源速報を開いたところ、どうやら関西らしい。揺れの振幅を示す色は真っ赤になっており、大規模なものであることはすぐに理解しました。

関西圏の大学に通う、あらたにす・編集スタッフの松下さんは、関東圏のスタッフに「起きた瞬間地震がきました… また起きるか心配です」と、LINEで安否を知らせてくれました。他の友人や知人も幸い無事でした。

ところで、近年の震災、特に東日本大震災以降の規模の大きな震災で、ひとつの問題として認識されはじめているのが「デマ(=Demagogie、ドイツ語で流言の意味)の拡散」です。地震発生直後の混乱した状況下で、安否はもちろんのこと、様々な情報が錯綜します。その中にデマを含むことがあるのです。

例えば、東日本大震災の際は「石油コンビナート爆発で有害物質が雨に含まれる」、熊本地震では「ライオンが動物園から逃げ出した」といった、よく考えればデマとわかるような内容が出回りました。時代をさかのぼってみれば、阪神淡路大震災でも、もっと前の関東大震災でさえ、デマの存在が認められます。

そして今回の地震では、

「京阪が脱線した」

「京セラドームの天井に亀裂」

「シマウマが脱走した」

といったデマが流れています。

何を単純な、と思われるかも知れません。しかしデマの厄介な点は、正しい情報よりも広がりやすいところなのです。人々の不安をさらに煽るような内容は、「みんなに情報を教えてあげよう」とする親切心で広まってしまいます。SNSが普及したネット社会ではその速度も過去と比になりません。

2年前の熊本で、一連の騒動を見ていた大西一史熊本市長は今回、自身のツイッターで次のように発信しました。

「熊本地震時の経験から、情報の発信元にはみなさん十分注意して信頼できる情報なのかどうか?今一度十分に確認をして下さい。未確認の情報をむやみにリツイートせず、情報の真偽を確かめてから責任をもってツイートして下さい。」(Twitter)

確信を持てない情報は拡散しないだけでなく発信しない。これが第一です。

災害時こそ、冷静な判断能力が問われています。

©読売新聞 激しい揺れで落下した電光掲示板(18日午前8時59分、大阪府茨木市の阪急茨木市駅で)=尾崎孝撮影
筆者が最初に見た被害の様子は、Twitterで流れてきたこの電光掲示板だった。

 

参考記事
18日付 朝日新聞デジタル版「「デマ拡散に注意を」 熊本市長、ツイッターで経験語る」
18日付 読売新聞夕刊(東京4版●)10-11面「大都市 通勤直撃 家屋倒壊 火の手」
18日 BuzzFeedNEWS「大阪で震度6弱 Twitterで「京阪脱線」の情報広がるもソースなし」
18日 HUFFPOST日本版「「大阪地震でシマウマ脱走」のデマが拡散。警察が注意呼びかけ」
18日 ねとらぼ「大阪地震の影響で「京セラドーム」の屋根にヒビ? 事実誤認のツイート拡散に注意」