SOSは繰り返し発せられていた
両親から虐待を受けて亡くなったとみられる5歳の船戸結愛ちゃん。本日の朝日新聞では何度も児童相談所や警察が何度も関わっていたにもかかわらずなぜ救えなかったのか、事件を時系列にして検討しています。
今回の事件は、児童相談所間の連携不足や警察がどこまで事件に踏み込むかといった問題が指摘されています。記事でも、子どもへの虐待防止に取り組むNPO法人シンクキッズ代表の後藤啓二弁護士が「今回は、親に拒否された時点で警察に連絡し、安全を確認しなければならないケースだった」とコメントを掲載しています。
ネット上では、認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏らが発起人となって呼びかけた「なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018」の一環として、インターネット署名サイトChange.orgにて署名活動が始まっています。またSNSでは「#ひとごとじゃない」というハッシュタグをつけた投稿が拡散されています。
この流れは政治の世界にも広がっています。安倍首相は15日、関係閣僚会議にて「痛ましい出来事を繰り返してはならない。政治の責任において抜本的な対策を講じる」と述べています。また、東京都の小池百合子都知事も13日に新宿区にある児童相談センターを視察するなど、体制強化に乗り出しています。
児童虐待に関する問題は今に始まったことではありません。7年前の衆議院でも木村太郎氏による質問書に「 地域によっては、児童相談所の職員一人当たりの案件を百件以上抱えているところもあり、通報や相談の増加を歓迎するものの、慢性的な人手不足に手を焼いている状況を察する時、学校や警察、医療機関、そして地域全体の協力が不可欠であることは言うまでもなく、児童福祉司の人員増と、職員が経験を積み専門性を高めていける態勢作りが急務と考える。」と述べられています。
あらたにすでも過去に児童虐待について述べられた記事がいくつもあります。(後を絶たない幼い犠牲)ただこのときと違うのは、私たちが関心を持つようになったことではないでしょうか。だからこそ、児童相談所の体制強化などのより救える手段を増やしていくことが大切です。
参考記事:
17日付 朝日新聞朝刊(東京14版)33面(社会)「SOS 何度も」