密室での安全確保はいかに

私は帰省や部活動の遠征で東海道新幹線を頻繁に利用します。そのため、今回の凶行は今後利用することへ恐怖心が湧きました。

9日夜、東海道新幹線の車内で複数の乗客が男に次々と刺されました。止めに入った男性が亡くなり、女性2人が重軽傷を負いました。

昨日、相澤さんが「SNS取材の是非 事件から考える」でSNS取材の観点から今回の事件を検証されていましたが、私は安全確保の観点から考えました。

新幹線内で乗客が亡くなる事件は2015年6月にも発生しています。走行中の車内で男性が自らにガソリンをかけ火をつけました。巻き込まれた女性1人が亡くなり、複数の乗客が重軽傷を負っています。

この事件の後、JR各社は監視カメラを客室内にも設置し、非常ボタンと連動して録画が始まるようになっていた仕組みを常時録画型に切り替えました。

しかし、今回の凶行を防ぐことは出来ませんでした。

私は、新幹線にも手荷物検査が必要なのではないかと感じます。航空機と同じく、新幹線も走行中は密室です。そして、通路が狭いため非常事態発生時にすぐに逃げることが出来ません。利用者が安心して利用するためにはやむをえないと思います。

しかし、航空機と同様の手荷物検査を実施してしまうと、必要な時に気軽に飛び乗れるという新幹線ならではの利便性が失われてしまうのも事実です。私も乗車当日に券売機で切符を手に入れ、すぐに乗ることが出来る「スピード」に助けられていました。

2020年の東京五輪・パラリンピックの開催によって、さらなる利用客の増加が見込まれています。外国人観光客の増加に従って、テロ対策の重要性も増しています。

利便性を重視し、安全性が失われてしまうのは本末転倒です。

非常事態発生時の個々人の身の守り方などを身につけ、乗客が自主的に対応することが必要なのかもしれません。

事件を受けJR各社がどのような対策を打ち出すのか、注目していきたいと思います。

参考記事:

10日付 読売新聞朝刊(大阪13版)37面(社会)「のぞみ車内悲鳴、怒号」

同日付  朝日新聞朝刊(大阪14版)33面(社会)「騒然「逃げ場ない」」