LINEよりも手紙。手紙よりも…

手紙なんかでごめんなさい。

ついこの間、引退する部活の先輩方に宛てた手紙の書き出しはこうでした。軽音楽部の追い出しコンサート最終日、どうしても説明会のために東京へいかなくてはならず、差し入れにビールを買って大きめのメモ用紙一枚分の手紙を、さっと添えて部室をあとにしました。部活のグループラインもあるのですが、やっぱりこういうときは手紙を書きたいものだなぁ、となんとなく思ったので。

SNSの利用が当たり前になっている昨今、その反動で若者のSNS疲れなんていう話題も耳にするようになりました。そんな中、アナログでやり取りをする文通が再び注目されていると言います。

保科直樹さんが運営するウェブサイト「文通村」では、名前や住所を事務局で管理し、相手に個人情報を知らせずにやり取りができるとして、利用者が増えているそうです。利用者の東京都の女性(35)は、「知らないひとだから、悩みなどを素直に話せる。手紙を読んだり書いたりする時間も癒しの時間」だと言います。

「文通村」のような文通募集サイトは複数あり、中でも国内外の文通相手を探す日本郵便が運営する「青少年ペンフレンドクラブ」の会員は、2017年度で1万人以上にもなり、前年の6割増ともなると記事は伝えています。

また、インスタグラムやツイッターでも「#文通」というキーワードを使ってSNS上で文通相手を探す、ちょっと意外な現象が起きていることが記事では紹介されています。相手探しはSNSで、やり取り自体は手紙で。誰か一人決まった相手とやり取りをすることで、相手との関係をゆっくりと丁寧に築いていくことができ、その時間が癒しになるというのです。

ありがとうの気持ちをちょこっと添えて。直接言いづらかったごめんなさいをこっそり忍ばせて。

でも、私が「手紙なんかでごめんなさい。」と書いてしまったのはやっぱり、大切なことは直接言った方が断然良いと思うから。手紙ってとても良いものですけれど、ラインより手紙より、直接言葉を交わせる相手が一番大切なのかもしれません。

参考記事:
10日付 読売新聞朝刊(大阪13版) 16面(くらし) 「イマドキ文通 手書き新鮮」