不要小型家電でメダルを 日野市の取り組みを聞いてみた

「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を知っていますか?いらなくなった携帯電話やパソコンなどの小型家電を回収し、部品の金属から2020年東京五輪・パラリンピックのメダル約5,000個を作ることを目指す取り組みです。今日の読売新聞によると、その回収が難航しているそうです。

そういえばそういうプロジェクトがあったな、と思いながら記事を読んでいたのですが、「回収ボックスを設置している」という部分に目が止まりました。もしかして、これって回収ボックスに入れたものしか対象にならないのでしょうか?

というのも、近いうちに小型家電・金属の分別回収に、使わなくなったり壊れたりした携帯電話とウォークマンを出そうと思っていたのです。これでは原料にならないのか。

プロジェクトのウェブサイトを見てみると、回収方法には、公共施設などに設置されたボックスでの回収、パソコンは無料の宅配回収、クリーンセンター等での拠点回収の3つがありました。「自治体によっては、不燃ごみ・粗大ごみで回収した小型家電が対象となっている場合もあります」と書いていたので、住んでいる東京都日野市のホームページで調べてみました。

日野市では昨年6月から、市役所やクリーンセンターなど市内の4カ所に回収ボックスを設置していました。そして、恐れていた「現在市で実施している戸別収集による小型家電・金属類の回収はメダル制作の原料とすることができません」という文言が……。あくまで協力する、という市民の意思がこめられたものが対象になるようです。がっかりしたのも束の間、画面をスクロールすると、「2018年(平成30年)4月からは、戸別収集で回収した小型家電もメダル制作のために活用できることになりました」というお知らせがありました。

なぜルールが変わったのか気になり、市のごみゼロ推進課に電話で聞いてみました。

市では当初、小型家電・金属類として回収していた廃棄物をプロジェクトに利用する予定だったといいます。しかし大会組織委員会の「五輪の機運を盛り上げたい」という強い思いから、ボックスなどでの回収に留めることになりました。それが変わったのがつい最近というわけです。「うまく集まっていないのかはわかりませんが、携帯やパソコン等については戸別収集したものを五輪メダル用に回してもいいということになりました」と担当者は説明してくれました。

市の「パソコン」、「携帯端末とその他」の回収目標は1,000台と2,000台となっており、2月末時点でそれぞれ421台と2,237台が集まっています。携帯端末の方は目標が達成されましたが、組織委が必要とする回収量に達するまで継続するそうです。
「最低1個はメダルを作れる計算の回収目標なので、それを超えたから終わりというわけではありません。日野市で集められるなら2個、3個と作りたいですね」

話を聞いて、さっそくボックスに入れてきました。

△日野市役所七生支所にて筆者撮影

記事によると、NTTドコモの店舗にもボックスがあるほか、先月28日からは全国の郵便局にも置かれています。気になる方は、住んでいる自治体がプロジェクトに参加しているか調べてみてはいかがでしょうか。

「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」WEBサイト
http://www.toshi-kouzan.jp/index.html

参考記事:4日付 読売新聞朝刊(東京13版)27面(地域)「小型家電、回収が難航 東京五輪・パラ メダル材料に」