3月8日は国連が定めた国際女性デーです。女性の権利と世界平和をめざす日として、世界各国で記念行事や催しが開催されています。日本で育つ女の子たちが今よりもっと自分らしく生きられる社会になるにはどうしたらいいのか。朝日新聞の企画「Dear Girls」では、著名人にインタビューし、日本が男女格差ランクの下位に沈んだ理由を取材しています。
来月から社会人として働く私にとっては、どの記事も背中を押してくれるものでした。その中でも女優の夏木マリさんの言葉が印象に残りました。
「関係ないんですよ、世の中は。誰も自分のことなんか見てないですから。自分の意思で動く」
昔、母が話してくれたことと似ていたからです。小学生のころ、運動会の応援団長になったことがありました。私の小学校では初めての女の子の団長です。男の子からは「女のくせにでしゃばるな」、女の子からは「副団長でいいじゃない」と言われました。そんなこともあり、辞退しようかと悩みました。すると母は「性別は関係ないよ。あなたはどうしたい?」ともう一度考えるように促したのです。挑戦したい。そう強く思い直し、応援団長として運動会を成功させることができました。
幼いころから性別に縛りつけられていると思います。あの時に思いとどまらないでよかったです。そんな昔話を母にすると「随分と女性が働きやすくなった。これからはもっと自分の意思が求められる」とつぶやいていました。
私の両親は、男女雇用機会均等法が施行された1986年直後に結婚しました。女性にとって、社会に進出したいという思いが高まった時期です。とはいえ、男女平等を肌で感じることができるとは思えなかったそうです。母は妊娠したときに「見栄えが悪いから」と言われ窓口業務から外されたこともありました。当時は、自分の意見を聞いてもらえなかったのでしょう。そうしたことを知れば知るほど、母の言葉は感慨深いものとなります。
来月から仕事をするのがすごく楽しみです。その一方で、同級生の知人は卒業と同時に結婚。専業主婦になる選択をしました。高校時代の先輩は今まで仕事をバリバリしてきたけれど、今は専業主婦をしています。結婚しないで働く人もいます。いろいろな選択があるのです。「自分はどうしたいのか」。いつも人生の曲がり角に立った時に思い出したい言葉です。
参考記事
8日付け 朝日新聞朝刊(東京14版)「Dear Girls なりたい私になる」21面