アルマーニの制服は本当に標準服なのか

小学生のころ、行事や朝礼のある日には「標準服」を着て学校に通っていました。白いシャツの上に紺色のブレザー、そして男子は紺色の短パン、女子は同色のスカート。一同が並んだときの統一感は周囲を圧倒するほどでした。ごく普通の区立小学校にも関わらず、ほぼ全員が着ていたように記憶しています。

本日の各紙の朝刊では、この「標準服」をめぐって驚くようなニュースが報じられています。東京・銀座にある中央区立泰明小学校が、今春からイタリアの高級ブランド「アルマーニ」の標準服を導入することが明らかになりました。一式揃えるのにかかる費用は、現行のおよそ2倍の4万円超、洗い替えのシャツなどを買い揃えると9万円程度にもなります。保護者からは「説明が不十分」「負担が大きい」などと批判や困惑の声が出ているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、制服と標準服の違いは一体なんなのでしょうか。Wikipediaによると、制服とは「会社・学校あるいは軍隊・警察など、ある一定の集団や組織の所属者が着用することを目的に規定された服」。一方、標準服とは「普段の着用義務がない服」。しかし、いくら着用は任意だと言っても、児童の大半が着ている同小の現状では、全員が購入せざるを得ないでしょう。いわば実質上の「制服」です。朝日、読売の両紙は、「制服」の見出しとともにこの件を報道しています。

導入を進めた校長は、変更の根拠を「銀座にある学校らしさ」としています。たしかに、着るものにはその人の好みや所属、いわばアイデンティティが表れます。標準服がその学校の児童としての自覚や意識を芽生えさせるかもしれません。しかし、着用するのは校長ではなく子どもたちであり、負担はその保護者に回ります。決定は、学校側とPTAや保護者ら関係者それぞれが納得する形で行われるべきではなかったでしょうか。

とはいえ、大学生になり、私服で生活するようになった今、高校時代までの制服を懐かしく感じることが多々あります。アルマーニの新標準服を着る小学生を思うと、その光景は何ともまぶしいものだろうと、来たる春の光景に想像を膨らませています。

 

参考:

9日付 朝日新聞朝刊(東京14版)35面(社会)「銀座の公立小「制服」にアルマーニ」

同日付 日本経済新聞朝刊(東京14版)41面(社会)

同日付 読売新聞朝刊(東京14版)37面(社会)「銀座の区立小「制服」アルマーニ」

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