ランドセルが重い!

筆者が小学生のころ、両親に買ってもらったランドセルを毎日使っていました。終業式のたびに学校に残った重い荷物をぎゅうぎゅうに詰め込んだり、高学年にもなると使うのが恥ずかしかったり...今となっては良い思い出です。

私が小学生の頃ですら教科書や筆箱、給食袋などでランドセルが重かった印象がありますが、それは今も変わらないようで。最近、そのせいで「背中が痛い」などと感じる児童が多いといいます。大正大学の白土健教授が2017年11月に行った調査によると、小学校1~3年生20人のランドセルの重さの平均は7.7キロ。中でも1年生の女子が9.7キロを背負っていたといいます。同年代の児童の平均体重が約21キロなので、体重の半分近くの重さを背負っていることになります。

白土教授は、ランドセルが重いのは「ゆとり教育の見直しに伴い教科書のページ数が増えたことが要因」と話します。一般社団法人・教科書協会によると、小学校の国語、算数、社会、理科の主要4教科の平均ページ数は、筆者が小学生だった05年に比べて35%も増えたそうです。つまり、当時に比べて3教科で教科書が1冊増えた計算です。千葉県内の整骨院で院長を務める佐々木純さんは、「最近腰が痛いと訴えて来院する児童が増えた」と話します。

ゆとり教育時代に比べて勉強する分量が増え、ただでさえ学校での子供の負担が増えているにも関わらず、登下校でも子供の身体的負担が重くなるのは大変心配されます。特に成長盛りの年代の負担を少しでも軽くするため、より軽いランドセルが開発されることを期待したいものです。

少子化でランドセル需要が減っている中、そうした工夫で生き残れるはずです。一方で、学校で勉強した内容を家で復習したり宿題を解いたりするために教科書を持ち帰ることも続けてほしいものです。この素朴な難題の解決策は果たして。

参考記事:

6日付 読売新聞朝刊23面(くらし) 「ランドセルが重すぎる」