信頼できる相談相手が必要

本日の朝日新聞では、都が推計した結果、住居がなく、東京都内のインターネットカフェなどで平日に寝起きをしている人が約4千人いることを報じています。その内訳は失業や退職をきっかけに家賃を払うことができない人が約5割。彼らはその後不安定な仕事に就くことが多いことがわかりました。

一言で貧しいといっても、その理由は人によって異なります。一方、多くの人に共通するのは、「相談相手がいない」ことです。先ほどの調査結果でも困ったことや悩み事を「相談できる人はいない」とする人が約4割となっています。

もし万が一、自分に何か生活に関する悩み事があったとき、自らの収入なども含めた事情を話すことができる相手は案外少ないものです。犯罪に巻き込まれた場合は警察へ、大きな怪我をしたら病院に行けばいいのは常識ですが、生活に困ったときにそれをサポートしてくれる国の制度があることは、知らない人が多い問題です。

このような生活に困りごとや、不安を抱えながら誰にも相談できないでいる人たちに対し、国も対策を取っています。「生活困窮者自立支援制度」というものです。以前、あらたにすでは人とつながる超高齢化社会と題し、地域包括ケアについて紹介しました。その包括ケアも含む、「我が事・丸ごと」の地域づくりの一環として生活困窮者自立支援制度も位置付けられています。

この制度は生活保護のように、お金を給付することが目的の制度ではありません。住居をもたない方、またはネットカフェ等の不安定な住居形態にある方に、一定期間、宿泊場所や衣食を提供する事業のほかに、就業支援や相談支援など、専門家が寄り添ってその人が抱える問題を解決し、自立を支援していく制度です。

制度の今後の課題としては支援につながっていない人をどう助けるか、といった問題も残っています。それでも、まずは「信頼して」相談できる制度があるということが知れ渡ることが必要なのではないでしょうか。

参考記事:
30日付 朝日新聞朝刊(東京14版)34面(社会面)「ネットカフェ難民 都内に推計4千人」