3年で3割が辞める現実

厚生労働省は7日、大卒で就職後3年以内に仕事を辞めた人の割合が、2011年3月卒業者で32.4%と、前年の卒業者と比べて1.4ポイント増加したと発表しました。11卒は厳しい雇用環境で不本意な就職をした人が多かったことから、早期離職の増加につながったと見られます。業種別では宿泊・飲食サービス業が52.3%と最も高く、次いで生活関連サービス・娯楽業が48.6%、教育・学習支援業が48.5%と、サービス関連の業種で離職率が高かったようです。企業規模別では従業員千人以上で3年以内の離職率が22.8%だったのに対し、5人未満では60.4%に上りました、高卒で3年以内に仕事を辞めた人は39.6%で前年より0.4ポイント増加しました。

厚生労働省は「入社後にイメージと実態のギャップから離職に至らないよう、企業には採用活動時の十分な情報開示を促していく」としています。

3年離職率ーーー就職活動を経た人や、これから就職活動の予定があって関心を持っている人には気になるワードではないでしょうか。今年の春就活を行った私も、この言葉けっこう気にしていました。選考が進んで「もしかしたらこの会社に入ることになるかも…」という可能性が高まると、決まってやっていたのが「株式会社〇〇 ブラック」と検索して評判を調べること。玉石混淆のネット情報を鵜呑みにしてはいけない、と思いつつ、私と同じように検索して一喜一憂(一憂一憂?)していた人も多いのでは?そんな時、3年離職率は単なる「口コミ」と比べると信頼度の高い情報で、「やっぱりサービス業は辞めてしまう人が多いんだなぁ…」などと感じていました。

しかし、ある会社の説明会ではこんなことを言われました。「我が社の離職率が高いからって『ブラックだ!!』と評する人もいますが、私たちはそのようには認識していません。我が社で離職する人はほとんどが我が社で培った能力を生かして、転職したり起業したりする、いわば『前向きな離職』です。激務やストレスが原因で離職する、『後ろ向きな離職』をする人はほとんどいません」なるほど、一律に並べられた数字からは読み取れないこともあるんだな、と思いました。私の友人の中にも、一般的に離職率が高いと言われる業界の会社に入り、自分を鍛えてはやく転職したい、と最初から『前向き離職』を考えている人もいます。

とはいえ、冒頭で上げた記事の3年離職率「32.4%」の中には入社前と入社後のギャップで辞める人や、激務で身体を壊して辞める人も大勢いると思います。終身雇用制度が当たり前でなくなっている今、「離職率」を気にするのはナンセンスだという声もありますが、皆さんどうお考えですか?「後ろ向き離職」を減らすにはどのようにしたらいいのでしょう?また、自身のキャリアプランについても聞かせてほしいです。

8日付け日経新聞(大阪14版)社会面「大卒32% 3年以内に離職」

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