今朝の各紙一面の見出しはどれも同じでした。各紙、この結果を受けて敗因分析や今後の政権の方向性などを分析していますが、筆者はそことは別に気になることがあります。為政者でもなく、学者でもない筆者のような一般市民にとってはこちらの方が重要ではないでしょうか。
4日、アメリカの中間選挙が投開票され、上下院共に野党共和党が過半数を獲得し、州知事選も共和党が過半数を獲得しました。失業率は低下したものの、貧富の差が拡大したことやエボラ熱、イスラム国対策の遅れ、移民政策の失敗などが有権者離れを招いたと考えられます。この選挙は大統領選挙の中間年に行われ、今期のオバマ政権の成績評価となり、次の大統領選に向けて、現政権の運営や野党の選挙対策に注目が集まっています。今後は政権だけでなく、野党にも注目が必要です。
前述したように、今日のテーマは中間選挙分析ではありません。アメリカでは2大政党が政権運営の結果で共和と民主が政権を取り合います。2大政党ということもあり、政策の方向性が大きく変わります。各陣営の集会もかなり盛り上がります。一方日本では、与党自民党だけでなく、民主、みんな、維新、共産、社民と多くの政党がありますが、政権運営経験のある自民と民主共に地方への振興策や消費税増税など国民生活に関わるテーマに関する方向性が近しいことも少なくないことや現状、自民党以外で政権を運営するだけの議席を持つ政党がいないことなどもあり、どこに入れてもかわらない印象や、選挙で国の方向性を決めるイメージを持ちにくいように感じられます。投票率が年々低下していることからもこのような現状に頷けるのではないでしょうか。
選挙の結果によって、自分の生活や社会に生じる変化の可能性の有無がこのような選挙への意識の差に繋がっているように感じます。誰がやってもよくならないという閉塞感や各党の違いが不透明な状況を続けていれば、選挙や政治に国民が目を向けてくれる時代は来ないのではないでしょうか。「僕の一票が暮らしを変える!」 「私の一票が日本を変える!」と思わせるような仕組み、一人一人に力があること理解してもらう仕組み、そして、アメリカのように政党に違いが明確な仕組みがなければ、日本の選挙の課題は解決できないのではないでしょうか。
参考記事:本日付朝日新聞(14版)1,2,3,10、11、14面・同日付讀賣新聞(同版)1,2,3,6,7,8面・同日付日本経済新聞(同版)1,2,3,6,7面