次に当てるのは誰だ! 政府からの補助金

興行収入過去最高。
国際的映画祭にて受賞。
著名なアニメ映画作品には、こんな謳い文句が良くつけられます。映画作品ではなくても、アニメは今や日本の文化ともいわれています。大ヒットを飛ばし、アニメをあまり見ないひとでも知っている作品もたくさんあります。

こう聞くと、アニメーターってかなり儲かりそうですよね。けれど、実際はそんなことはありません。
もちろん就業形態にもよりますが、アニメーターの収入は作画一枚につき200円程度。若手のフリーランスともなると福利厚生やボーナスなんてものもありませんから、年収にすると100万円程度。アニメーターの仕事だけでは生活できません。そのせいで、大きなアニメ会社にはいったり、著名な作品に携わる前に辞めてしまう若手が多いのも事実です。

そんなアニメ業界に、政府は一石を投じようとしています。
PR作品の制作費や海外コンテストの参加費に補助金を出すことを、2017年度補正予算案に提案する、というもの。アニメや映画など、映像産業に携わる人材のすそ野を広げるため、というのが目的です。

アニメや映画のPR作品の制作にかかわる費用の半分以上を補助するとされるこの制度。一見すると、アニメや映画などが日本の主要産業として認められた、ととらえることもできますが、「PR作品の制作にかかわる費用」というところが少し引っかかります。記事には詳しくは書かれていないので何とも言えないのですが、作品の制作に補助金が出るのではなく、PR作品の制作に限定しているのが気になります。

ないよりはよほどありがたいものだとは思うのですけれど、果たしてそれが、小規模な制作会社や若手のクリエイターをどこまで助けられるのか。業界の今後に注目です。

主要産業となりつつあるといっても、いつどこで何がヒットするのかわからない世界。スタジオジブリ、スタジオ地図に続いて世界に名をとどろかせるのは誰でしょう。楽しみですね。

参考記事:
19日付 読売新聞朝刊 7面(経済) 「アニメ・映画担い手支援」