なにも変わらない就職活動〜朝日新聞の社説を読んで〜

 本日26日付け朝日新聞の社説は、就活と採用をテーマに『ふだんの接点設けては』と題されています。

企業は就職情報サービスも使って多くの学生を集め、エントリーシートや筆記試験、面接など似たり寄ったりの方法でふるいにかける。学生はそれに身を任せるしかなく、自分の特徴を十分にアピールできない。そんな構図が続く。

続く、と書いてあるけれど、どこが続けているのだろう。こんな採用活動はだめだ、企業にあった人材を見抜くことが出来ないと、メディアは報じていますが、そのメディアの採用試験は上記のように、エントリーシート、筆記試験、面接という段階をふんでいます。メディアだけでなく、他の大手企業も同じような試験形式を採用し、時には圧迫面接などをして、学生たちをふるいにかけます。「よくない」「だめだ」と報じてはいるけれど、なにも現状は変わっていないでしょう。

『日曜に考える 若者 50年の足跡』に、ハッとする言葉が書かれていました。バブル末期の91年世代の生命保険勤務の長嶋さんは自身の就職活動等を振り返ってこうおっしゃっています。

自分は運良くぎりぎりのところで氷河期やリストラとは無縁でいられただけだ。(中略)就活中の若い世代にはどんなことをしてでも、したたかに生き抜く心づもりをしておいてほしい

16年春卒業の学生から、ますます短期決戦になり、3年3月から解禁、10月には内定式と、過酷な就職活動になるのではと思います。学業に専念できるようにと採用されたこの形式は、本当に学生のためになるでしょうか?国の決めた通りにすることは、企業のメリットになるでしょうか?メリットでないのなら、どうして変えないのでしょうか?変わらないのでしょうか?

学生の皆さん、就職活動についてどう思いますか?この社説を読んで、実態を切り取った内容だと思いますか?就職活動に関するメディアの報じ方についてどう思いますか?たくさんのご意見をお待ちしております。

26日付け朝日新聞(東京・14版)(オピニオン・9面)『社説 就活と採用 ふだんの接点設けては』26日付け日経新聞(東京・14版)(11・日曜に考える)『若者 50年の足跡 「お祭り」暗転 漂う』