就活生、合説に行かなくても

ハロウィンが終わった街は、クリスマスムードに包まれようとしています。年末の気ぜわしさを感じる今日このごろ、卒業論文に追われて焦り始めています。大学の友人も「せっかくの内定を無駄にするわけにはいかない。必ず卒業する」と意気込んでいます。

今年の内定率は、10月1日現在で75.2%。調査を始めた1996年度以降で最高水準だそうです。恵まれた時期だとつくづく感じます。そんな就職活動(就活)についての話題が読売新聞の朝刊にありました。

2020年夏の東京五輪・パラリンピックに伴い、現在大学1年生らの就職活動時期に大規模な会社説明会を開きにくくなるというのです。「就活の20年問題」だそうです。

「各就職情報会社は例年、3月1日以降、首都圏で最大級の展示面積を誇る東京ビッグサイトや幕張メッセを主な会場に合同説明会を開催している」とありますが、これらの会場がオリンピックの会場として利用されてしまいます。

その対処策として、関西など首都圏以外の大都市圏での説明会開催やネット説明会の拡充などが紹介されています。ただ、地方開催は首都圏の学生にとって交通費が重荷となり、ネット説明会では企業の雰囲気が伝わりにくいといった難点もあるようです。

確かに、就活生にとって、合同説明会が少なくなってしまうと聞けば、不安になってしまうかもしれませんが、この「20年問題」に学生側も対処する方法はあります。そういうのも、筆者自身が合同説明会(合説)をあまり利用しないで、就活を終えることができた経験からです。

大学1年の冬に将来の夢を定め、それに向かって各会社の説明会やOB訪問などを進めました。合同説明会はどんなものなのかと思い、一度だけ行ってみました。会場は就活生と会社の人事の人でごった返しています。得られる情報は、すでに知っているものばかり。筆者からすれば、どうしてこんなイベントに参加するのだろうと感じました。しかし、友人は「将来何になりたいか決まってないし、いろいろな会社が見られて良かった」と言っていました。

合同説明会の意義の一つは、いろいろな職種に出会えるということです。その意味合いならば、就活時期以外にもできることは少なくないでしょう。

20年の問題に直面するのは、現在の1年生です。今から、いろいろな仕事を知り、夢を決めれば、合同説明会に行かなくても就活はうまく行きます。就職活動が一生を決めるものではないかもしれませんが、学生からすれば卒業後の進路は一生を左右する大きな節目です。だからこそ、今から始めてもいいのではありませんか。

 

参考記事

 

27日付 読売新聞 13版 1面 「就活2020問題」