記念日の意味を再考する

 今日は、「ポッキー&プリッツの日」ですね。その形が数字の1に似ていることから、販売する江崎グリコが平成11年(1999年)11月11日に制定しました。皆さんは、この日にちなんで何か特別なことをしましたか。私は、毎年この日には友達とポッキーを食べると決めて実行しています。一方で、お隣の中国では「独身の日」。インターネット通販の大型セールが実施され、盛り上がっているようです。

 この商戦に乗り遅れまいと、日系企業の通販サイトも特別セールを始めています。日用品や化粧品を中心として日本ブランドは人気が高く、昨年の売り上げも好調だったようです。今年、資生堂は上海に期間限定店を開設。伊藤忠商事は、中国国内の物流拠点で臨時アルバイトを雇用。大きな人口を抱える中国において日本企業のマーケットを広げる大きなチャンスです。

 さらに、この盛り上がりにあやかろうと、日本国内のネット通販でセールを実施する企業も現れています。イオンは、紳士スーツのセットを1万1111円で販売したり、ポイントを11倍に設定したりなど、「1」にちなんだ企画で話題性を強調。他にも様々な企業が、日本国内に向けて特別な取り組みを行っているようです。

 近年、行事やイベントが増えているような気がします。若者の間で人気のハロウィンは、私が幼い頃にはそれほど知られていなかったように思います。特別な日が増えれば、街は賑わい、気分は上がり、日常が華やかになります。それに便乗する企業の製品が売れ、社会は潤う。

 同時に、記念日の意味を考えじっくり味わう繊細さも持ち合わせたいです。バレンタインデーは元々チョコレートの日ではないし、クリスマスはキリストの生誕祭という厳粛な日でした。もちろん、海外のイベントが変化して異なるものとして扱われることに目くじらを立てる気持ちはありません。日本では日本の楽しみ方がありますから。

しかし、年間に16日あった祝日を考えた時、皆さんはどれだけ理解しているでしょうか。恥ずかしながら、私は祝日を迎えるたびにその日の名前と由来を調べてしまいます。

 せっかくの記念日。メディアや社会の商業主義に乗せられなんとなく盛り上がるのではなく、その意味を考えるところまで楽しめると良いですね。

 

参考:

11日付 日本経済新聞(東京13版)12面「中国「独身の日」日本企業も沸く」