走る広告塔「ナンバープレート」で地域の魅力を発信

 人口の多い都市部では、車両のナンバープレートの割り振りが複雑です。例えば、自宅の車は品川ナンバーですが、住まいは品川区から離れており、馴染みのない地名に違和感を覚えます。しかし、車に乗らない人はほとんど気にも留めないことですが、少しずつ身近なものへと変化しているようです。

 それが、ゆかりのある地名を表示する「ご当地ナンバー」です。全国87ある自動車ナンバーに加えて、国土交通省から新たに認められた地域で使われています。2006年に採用されてからこれまでに全国で29を数え、富士山(山梨、静岡)など二つの県をまたぐものもあります。東京には現在7つの管轄がありますが、足立ナンバーを使用している葛飾区と江東区では、それぞれの地名を入れた新たなナンバーを検討中です。

 さらに、イラスト入りやカラーのものなど、その選択は多種多様です。埼玉県深谷市のバイク用ナンバープレートには、市のイメージキャラクター「ふっかちゃん」がデザインされています。ここ数日、この「ふっかちゃんプレート」の盗難が相次いでおり、ふっかちゃん自身もTwitterで注意を呼びかけているほどです。もちろん窃盗は言語道断ですが、このようにかわいらしいのなら人気があるのも頷けます。

 海外を訪れた際、様々な形や色とりどりのナンバープレートに目が釘付けになりました。州の形に切り取られたもの、国旗のイラスト、地元のトレードマークのデザインなど。日本ではまだあまり普及していませんが、今後は目を引くプレートを街で多く見かけるようになりそうです。今月10日には、大会開催を盛り上げるため、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた特別仕様の交付が開始されました。地域振興や観光振興にも活用しようと、地方限定の図柄の導入も予定されています。

 これらの取り組みは、その地域を知ってもらえるだけでなく、そこに暮らす人々が改めて自分の住む街を考えるきっかけにもなります。日本には長く続く歴史と四季折々の豊かな自然があり、知られていない秘境がまだまだたくさん残っています。車のナンバーを通して多くの人に興味を持ってもらえるのは嬉しいことですね。私のまちにもおしゃれなナンバープレートがあったらいいのにな。

 

参考:

28日付 朝日新聞朝刊(東京14版)33面(東京)「ご当地ナンバー 葛飾・江東検討へ」

28日付 朝日新聞DIGITALなぜ今?「ふっかちゃん」ナンバープレート盗難相次ぐ

28日付 YOMIURI ONLINE 「ふっかちゃんプレート」盗難多発…深谷駅周辺

国土交通省HP東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート交付開始!!

同省HPナンバープレートを活用して地域の魅力を全国に発信!