小田急火災 何が正しい対応だったか

電車が燃えている――。沿線のボクシングジム火災が小田急線の車両に延焼した火事で、乗客が撮影した動画に、一瞬目を疑いました。一体何が起こったのでしょうか。

最初にYahoo!で「リアルタイム検索」をしてみました。検索したキーワードに関連するツイートを探すことができ、何か大きな出来事があったときにはこれで人々の反応を見ることが多いです。ただし、チェックした時点での情報でしかないので、事実ではないものも多く混ざっています。

混乱時に飛び交う情報からファクトを見極めるために、私の場合は、信頼できる情報源から発信されたものかどうかを一つの基準としています。ネットには「非常停止ボタンを押したのは乗客だ」とか「車掌が迅速に避難誘導しなかった」といった、出所のわからない声であふれかえっていました。

その後の報道に注目していたところ、ボタンを押したのは消防から依頼を受けた警察官だったということがわかりました。自動停止システムが作動したため、たまたま現場前に止まってしまった後、消防から延焼を知らされるまでの間に運転士が手動で車両を動かしていたことも明らかになりました。今日の記事には、当時の状況を時間に沿って整理したグラフィックがありました。

今回の延焼事故では、警察・消防と鉄道会社の事故時の連携がどれだけとられたかということが焦点の一つになっています。列車の運行を止める必要がある場合にも、警察などが勝手に動くのではなく、鉄道会社の指令本部に一報するべきだったのではないでしょうか。

あす乗る列車が同じような火災や何らかの事故に巻き込まれるかもしれません。鉄道の仕組みがよくわからない自分がいざという時に頼れるのは、第一に乗務員の皆さん、そして警察・消防です。安心して利用するために、この三者の緊急時のネットワークをどう整備するか、現時点で不足はないのかを再確認してほしいものです。

参考記事: 12日付 朝日新聞朝刊(東京14版)35面(社会)「沿線火災 なぜ車両に延焼」