ゆるやかに、でも確実に一歩ずつ

  M字カーブ」。日本の女性労働力率を年齢別につないでカーブを描くと、中央の30~40代がちょうどへこんで見えることから言われるようになったこの言葉は、日本の女性労働市場の特徴の代名詞となってきました。しかし近年、女性の労働参加の増加により10年前の2007年7月に比べて全ての世代で、仕事に就く女性比率が上昇したこともあってこの特徴が薄らぎつつあるそうです。

最大の要因として、企業が離職防止に取り組んできたことが挙げられるそうです。筆者が就職活動をしているときに、よく「弊社は女性活動支援プログラムが充実しています。そのため、離職率はこんなにも低くなっています!」といった言葉を耳にしたことからも、様々な会社がそのような取り組みに力を入れていることは明らかであると思います。

さて、大学生である私が労働力率の「谷」の世代に差し掛かる10年後、社会はどのくらい変わっているのでしょうか。M字カーブの傾向がなくなりつつあるとはいえ、待機児童問題をはじめ、まだまだ解決すべき課題があるとこの記事には書かれています。もちろんそのような施設・制度面での支援は、更なる改善をもたらすにあたって重要な要因であることに間違いはありませんが、これらが目指すのは「女性の労働意欲を促進するため」ということを忘れてはなりません。つまり、いくら環境が良くなったとしても女性の働く意欲が上がらなければ全て無意味なものとなってしまうのです。

「内なる改革」これは、私の尊敬するシェリル・サンドバーグ氏の著書「リーン・イン」で書かれた言葉です。今朝の記事には書かれていませんが、今後更に女性の労働力率を高めるためには設備や制度などの外的な要素だけでなく、内的な要素、すなわち女性自身の考え方や行動も変えていく必要性があると思います。

どうすれば女性がより活躍できるのでしょうか。当事者である私自身、しっかり考えていきたいなと思います。

 

参考記事

9日付日本経済新聞朝刊(京都14版)1面「M字カーブ「谷」緩やかに」