「性差をなくそう おもちゃにも」

 「小さいころ、自分はどんなおもちゃが好きだっただろう」

 リカちゃん人形をサンタさんにお願いしたことも覚えているし、当時大流行していたおジャ魔女ドレミのグッズを買ってほしいと親におねだりした記憶もあります。また、私は弟がいたため家にはトミカやプラレールもあり、よく一緒に遊んだことも覚えています。しかし、そのころは何も思わなかったけれど、確かにおもちゃのほとんどが「男の子向け」「女の子向け」に分けられていたことは事実でした。

 性別を意識せず、多様性を認めようという風潮がおもちゃを買う親世代に広がり、各メーカーの開発に影響し始めています。背景としてはやはり「男は仕事、女は家庭」といった社会的・文化的な性差をなくす「ジェンダーフリー」の考え方が浸透しつつあることがあるようです。

 これに対し、おもちゃメーカーは「女の子向け」とされていたお世話人形のラインナップに男の子を追加して男の子でも遊べるようにしたり、おもちゃのデザインを性別を意識しない配色に変えたりする工夫をしているそうです。

 しばしば取り上げられる性差の問題。「おもちゃ」というのは確かに僅かな一部分に過ぎないと思います。ただ、時代は確実に変わってきています。朝日の記事によれば、興味深い事実として「購入者アンケートから人形で遊ぶ15%が男の子」だそうです。もちろん、この結果に対する「男性の育児参加が昔に比べ増え、赤ちゃんを抱く姿を見ることが多くなってきたから」という分析はよく理解できるのですが、やはり自分が幼かった頃から時代の流れが大きく変わってきているということを痛感します。

 「性差」をあまり意識せずに育った子どもが大きくなったら、いったいどのような大人になるのでしょうか。どのような社会になるのでしょうか。今後が少し楽しみになってきました。

参考記事

27日付 朝日新聞朝刊(京都14版)8面(経済) 「おもちゃもジェンダーフリー」