丁寧な日本の接客。キレる中高年の客。

 24時間365日営業しているコンビニがいたるところにあり、必要なものは望んだ時に手に入り、店では店員が丁寧な応対をしてくれる。このように、世の中が便利になればなるほど、人々の「内面の豊かさ」は失われていっているのかもしれません。

 14日付の読売新聞の人生案内欄に寄せられた「中高年の客がキレやすく対応に困る」という相談が大きな反響を呼びました。私もこれを読んだとき、強く共感しました。よく、「最近の若者は・・・」と若い世代を批判する言葉を聞くことがありますが、街中で店員に横柄な態度をとっている人は中高年の人々の方が多いと、常々思っていたからです。

 横暴な態度をとる人にも様々な事情があると思います。職場や家庭でためたストレスを、店員に当たることで晴らしているのかもしれません。しかし、便利な世の中を「当たり前」と思うことも原因の一つであるように思います。

 客が来たらにこやかに挨拶して出迎え、丁寧な応対をする。「お客様は神様」という店員の姿勢が日本ほど徹底されている国は世界的にみて少ないようです。カナダでは「客と店員は対等」という考えから、横柄な客に店員が怒り、帰らせることもあると聞いたことがあります。日本人は「丁寧すぎる」接客を当たり前のものだと思い、感謝の気持ちを忘れているのではないでしょうか。

 先ほどの人生案内では「謝るのも仕事の一部、キレる人に対してかわいそうな人だと割り切ってやりすごす」という対処方法が示されていました。この姿勢は不必要なトラブルを起こさないためにも重要です。特に大学生はアルバイトをしている人も多いので店員にも客にもなる機会があります。「自分がされて嫌なことは他人にもしない」ことが肝要だと思います。

参考記事:
14日付 読売新聞朝刊(大阪13版)15面 (くらし)「人生案内 キレる中高年の客に困惑」
同日付  読売新聞朝刊(大阪13版)15面 (くらし)「キレる中高年の客に反響」