東北の魅力発信 広がる輪

#東北でよかった

 実際にTwitterで検索してみると、色とりどりの写真と温かい言葉が並びます。多彩な画像があふれる中で目に留まったのは、世界三大漁業である三陸沖でわかめ漁をする一人の漁師さん。悲しみをのりこえ、今もなお海とともに生きるたくましい姿に心打たれました。東北で日々を紡ぐ方々が撮影した、ゆったりと流れる自然豊かな日常風景も素敵です。それぞれの方が抱く、東北の誇りを感じます。

 数日前あらたにすでも取り上げた(政治家の条件) 、今村復興相の失言。SNS上では今、それを逆手に取り、ハッシュタグをつけて東北の良さを発信する運動が広がっています。SNSならではの手軽さと拡散力を武器にその輪は広がり、投稿は19万件を超えました。数々の名所や郷土料理、お祭りなどの伝統文化…。東北出身の方や旅行で訪れた人も、「東北の力になりたい」という強い思いこめて投稿しています。

〈辛〉に横棒一本を足すと〈幸〉になる。(省略)

一人ひとりの心から生まれた、横棒の贈り物だろう。

 今日の読売新聞「編集手帳」は、こんな言葉を添えて紹介していました。東北らしさが映し出され、新しい気付きを得たことで、率直に行ってみたいという気持ちがわきました。壮大な自然に触れたり海の幸を食べたりしながら、地元の方々とお話ししたいです。復興を前向きにとらえ、多くの方に魅力を知ってもらうことで、観光業の発展にもつながることでしょう。一方で、いまだに避難を続ける方が約11万人に上ることも事実です。当事者にしかきっとわからないけれど、痛みや苦しみはそう簡単に消えるものではないと思います。復興のためにできることは何なのか、一度東北に足を運んで現状を知り、考えてみます。

参考記事:28日付 読売新聞 13版 1面 「編集手帳」