6年とこれから

 その日に生まれた子は6歳になり、小学校へ入学する。時間が経っても、東日本大震災は形を変えながら私たちの暮らしに影を落とし続けています。今日は3月11日、各紙の関連記事を振り返ります。6年の道のりは、平坦ではありませんでした。

 数字で見ても、復興は一様ではありません。福島産のモノがどのくらい売れているかは、復興の重要な側面です。日経新聞の記事「福島産野菜 なお安値」は、農作物の価格に注目した記事です。福島県産の野菜の価格は、徐々に全国価格平均に近づいて来ました。大手青果卸の担当者も、「原発事故の風評被害はほとんどなくなった」とコメントを寄せています。ところが、嗜好品の性格の強い果物は苦戦が続いています。モモなどは全国平均より25%安く、12年前からほとんど価格差が変わっていないといいます。

 では、これからの復興の見通しはどうでしょうか。若い世代の活躍に注目が集まっています。朝日「別刷り特集 動き始めた10代」には、震災を経験し、自ら行動を始めた高校生たちが紹介されています。「震災の記憶をはっきり覚えている最も若い世代が、私たち高校生世代。私たちには伝えていく責任があると思う」。宮城の高校で震災を主題とした劇を演じる、砂口優美子さんの言葉です。

 2017年を迎えてからも、新しい問題が次々と明らかになってきました。震災を経験した世代の活躍は、あらゆる分野で切望されています。

参考記事:
3月11日 各紙関連記事