兵庫県西宮市にある、「ケーキハウス ツマガリ」。筆者の通う大学の近くにある洋菓子店です。1995年の阪神淡路大震災が発生したとき、社長の津曲孝さんは従業員とともに近くの避難所を回ったそうです。「こんな時だからこそ美味しいお菓子を食べていただきたい」。入口にそっと段ボールを置き、何も言わずに立ち去りました。お店の営業を再開すると、「避難所で食べたお菓子が美味しかった」とわざわざ伝えてくれる客もいました。お菓子一つでも、誰かを笑顔にすることができる。元気にすることができるのです。
洋菓子ではありませんが、赤城乳業もアイスキャンディー「ガリガリ君」で被災地を応援しています。7日に、全国で「ガリガリ君 九州みかん」を発売します。新商品は、九州のみかん果汁を使用。みかん果汁(7%、すべて九州産)の7割ほどは熊本県産を使用しています。
パッケージには、熊本県のゆるキャラ「くまモン」の特徴である、黒い耳と、赤いほっぺたをつけたガリガリ君がデザインされています。パッケージの絵柄は全部で3種類。熊本の観光地である「熊本城」、「阿蘇」、「崎津教会(天草市)」が描かれています。売り上げの一部は、熊本地震の被災地に寄付します。
ツマガリも赤城乳業も取り扱う商品こそ異なりますが、「被災者を笑顔にしたい」、「被災地を元気にしたい」という想いは同じだと思います。企業にとって利益の追求は重要ですが、損得だけでない「思いやりのある企業」こそが、社会から必要とされるのではないでしょうか。2社のあり方から、人としてどうありたいかも考えさせられました。
もうすぐ、熊本地震発生から1年です。
参考記事:
朝日新聞朝刊(大阪14版)8面(経済)「ガリガリ君、熊本を応援」
関連資料:
「ツマガリ」HP
http://www.tsumagari.co.jp/boss/sk_vol05.html (2017年3月2日閲覧)
「赤城乳業」HP
http://www.akagi.com/news/2017/170301.html (2017年3月2日閲覧)