花粉症対策 大人も子どもも

 今日は31日。2018年春卒業予定の学生にとっては、経団連加盟企業の説明会解禁日となっています。就職活動も解禁し、いよいよ春らしくなってきましたが、ずっと前から解禁しているものもあります。それは、「花粉症」。花粉症を患っている人にとっては、花粉の飛散など解禁しても何も嬉しくありません。しかし、すでにスギ花粉の飛散は各地で本格化。筆者も2月の中ごろから悩まされています。そしてこの花粉症に、大人だけではなく、子どもも悩まされているのです。

 2008年に実施された全国的な調査では、スギ花粉症の有病率は26.5%。子どもも発症し、5~9歳で13.7%10~19歳で31.4%でした。花粉症は、春に多いスギやヒノキだけではなく、夏から秋のブタクサなど、多くの花粉が原因となるので、実際はもっと多くの子どもが悩まされているのではないでしょうか。

 思い返せば、私も気づいたころには花粉症になっていた気がします。子どものころ、特に小中学校は、ほこりなどが立ちやすい環境です。大人に比べて、多くのアレルギーの原因にさらされるので、対策は大人よりも必要かもしれません。学校は共同生活の場ですから、患者以外の周りの子の配慮も必要になってきます。

 こうした状況を受け、千葉県内の小中学校3校では、アレルギーの仕組みや対策を学ぶ授業が実施されています。千葉大教育学部の学生らが参加するNPO法人「企業教育研究会」と花粉症対策用のゴーグルを販売する「ジェイアイエヌ」(東京都千代田区)が共同で初めて実施しました。中学校1年生の授業では、アニメを見てアレルギーについて学んだあと、花粉などから身を守る工夫について話し合って対策を考えました。

 同社マーケティング室の渡辺里美さんは、小学生以上になればアレルギーの仕組みも理解でき、自分で防御策を大切として「自分を花粉から守る力をつけてほしい」と話しています。確かに現在の治療法では、アレルギーを抑える薬を服用するのが一般的です。数年かけて花粉に体を慣らして症状を軽減する治療法も存在しますが、すぐに症状を治してしまうというのは、なかなか難しいのかもしれません。それゆえ、自分で防御することは絶対に必要になってきます。

 花粉症はひどくなると、長い間にわたって風邪のような症状になり、非常につらい思いをします。子どもの頃につらい思いをした経験から、筆者も最近は対策を怠らないようにしてきました。スギ花粉の飛散量は増えており、患者全体も増える傾向にあるといいます。この機会に子どもにも目を向けて、自分でできる対策を教えることから始め、周りの子みんなが配慮できる環境づくりが必要になるでしょう。

参考記事:1日付朝日新聞朝刊(東京13)「花粉症対策子どもと考える」