3万6000人の42.195km

 昨日、行われた東京マラソンに筆者も出場しました。初のフルマラソンに緊張しながらも、走りきることができ、楽しい体験でした。実際に参加することで、見えてくるものがあります。

 11回目を迎える本大会の目玉は、好記録を望めるように終盤の起伏を減らした新コースです。スタートはこれまでと同じく都庁ですが、ゴールが東京ビックサイト前から東京駅前に変更になり、湾岸エリアのコースがなくなりました。これにより海から来る強い風の影響がなくなりました。中盤には両国方面のコースが新たに設けられました。

新コースの一部 日本橋 10km付近

 

 実際、トップアスリートは好記録を出し、男子はケニアのウィルソン・キプサング選手が2時間3分58秒で、女子は同じくケニアのサラ・チェプチルチル選手が2時間19分47秒でゴールしました。いずれも日本国内での大会としては最高記録です。

 市民ランナーにとっても、新コースは楽しめるものだったのではないでしょうか。高低差が少なくなり、走りやすく、また、浅草や東京タワーなど観光名所を走り過ぎることで、外国人ばかりでなく日本人の筆者も東京の良さを堪能できました。

浅草からスカイツリー15㎞付近の浅草から見た、東京スカイツリー

 ただ、34km付近から38km付近の第一京浜のコースでは東京らしさも乏しく、精神的にも肉体的にも苦しい4kmでした。ここが改善されれば市民ランナーにとっては、より良いフルマラソンになるのではないかと感じました。

 コースだけではなく、他にも改善すべきところがあります。

 一つは、ゴールから給水所、更衣室までが遠いことです。ゴールから給水所まではおよそ300m。全力で走り切ったランナーの中には、たどり着くまでに足がつってしまう人がいました。また、そこから更衣室までは1.4kmほどあります。少し遠い気がしました。3万6000人もの参加者を混乱なく誘導するには、必要な距離なのかもしれませんし、寒さをしのぐためのアルミシートを配るなどの配慮があったことは良かったです。

ゴールから更衣室まで移動するランナー

 しかし、2020年の東京オリンピックでは1日あたりの輸送需要は最大で約92万人と大会組織委員会は予測しています。この人数をスムーズに移動させるためには導線の確保だけはでなく、いかに苦にならないかどうかも重要なのではないでしょうか。

 また、トイレの確保も重要です。スタート前のトイレには多くの人が並んだため、整列時間に間に合わない人やトイレを諦める人もいました。中にはスタートまでの待機場所にある植木に用を足す人もいました。相当数のトイレを用意していたにも関わらず、こんな状況です。

スタート前、トイレに並ぶランナースタート前、トイレに並ぶランナー

 2020年の東京オリンピックまで3年6か月を切りました。どこまで安心安全で、その上、便利で楽しい大会にできるのか。本大会の反省を踏まえて進んでほしいものです。封鎖された都心部の道路42.195㎞を走れたことに感謝しながら、そう思いました。

(写真、動画は大会運営側に許可を得て、筆者撮影)

参考記事

2月27日付 読売新聞 13版 1面 「目指せ東京駅  3万6000人走る」

同日付 朝日新聞 13版  1面 「新コース追い風に」

同日付 日本経済新聞 13版 37面 「高速コース 好記録」