先日、新聞の折り込みチラシの中に「駅から徒歩10分!コンビニ近くの好条件!!」といった内容の賃貸物件の広告を見かけました。23区内だったらそこまで珍しくない条件ですが、東京都内ならどこでも同じ条件といったわけではないみたいです。
島嶼部を除くと東京都唯一の村になる檜原村。ここにはコンビニエンスストアもスーパーマーケットもありませんでした。そこで村の第三セクターが運営するミニスーパー「かあべえ屋」が開業し、今月で5か月を迎えました。滑り出しは上々で、利用者の数は当初の見込みを上回っています。
村の人口は年々減少しており、ピーク時と比べて半分以下になっています。人口が減っていくのと同時に村から商店がなくなっていき、生活に必要なものを手に入れづらくなってきていました。村民からもスーパーかコンビニがほしいという要望を受け、第三セクターという形でオープンさせました。
一方、過疎地域での運営は難しく、初年度で400万、その後も年500万円の赤字を見込んでいます。それでも「買い物弱者支援的な政策もある」と村づくり推進係長が話す通り、売り上げを出すことだけを目標にはしていないようです。
人がいないと成り立たないサービス業や小売業。一方でそれらがないと人はどんどん都心に流れていきます。税金を投入してそれを食い止めることは各自治体必要不可欠な対応です。赤字を出してでもやらなければならない事業なのか、評価するのは今すぐではないのかもしれません。
参考記事
12月11日付 朝日新聞 14版 33面「三セクスーパー 滑り出しは上々」