クレジット利用、どこに落とし穴が?

 お得なものに目がない筆者は割引券やポイントカードなどを使っています。そして大学生になり、クレジットカードデビューを果たしました。購入金額に応じてポイントが付くと聞いた時には驚きました。その上、小銭を持つ必要もなく財布はスッキリ、良いことづくめに映りました。

 そのうちにマイナス面を知ることになります。お金を払っている感覚がなくなってしまったのです。「どうせ、現金で払う時と金額は変わらないのだから」と少額の買い物もカードで購入するようになりました。それまではレジで財布の中身とにらめっこして、無駄遣いには自制がはたらいていましたが、金額を見ずに払えるカードではそうはなりません。通帳の残高が底をつき引き落としができないのではと感じ、はじめてクレジットカードの利用を控えるようになりました。

 こんな経験をしたことのある人に朗報です。

 みずほ銀行は、毎月のクレジットカードの引き落とし額と銀行口座の残高を比べ、過不足に応じて借り入れや積み立てを自動で案内するスマートフォン向けのサービスを始める。

これなら、クレジットカードを利用しすぎても返済時の事故が防げることになります。

 ただ、借り入れるわけですから、当然利息を払うことになります。お得になるからクレジットカードを利用している人からしたら、まさに元も子もなくなります。

 このようなサービスを始める背景には今年1月の日本銀行によるマイナス金利政策の導入があるのではないか思われます。民間銀行は日銀にお金を預け入れるよりも企業や個人へ貸し出した方が利益になります。そうすることで経済が回りやすくなる側面もあります。政府や日銀の狙いどおりかもしれません。

 将来的には人工知能が利用者に合う運用方法を指南する機能も追加するようです。人工知能に頼らなくても自分の知能で何がお得かを判断できるようにならなければいけません。あくまでも、日々の暮らしを補助するサービスにとどめたいものです。

参考記事

28日付 読売新聞 13版 10面「クレジット利用 スマホが助言…みずほ銀行」