公共空間での表現の自由 どこまで?

国立西洋美術館で今月11日、同館の企画展に出品する作家らが、イスラエルによるパレスチナ侵攻などに対する抗議活動を行いました。プレス内覧会では、展覧会の概要説明などの後に、出品アーティストの飯山由貴さんが自席から立ち上がり、「パレスチナで現在起きているイスラエル政府のジェノサイドに強く反対します」といった抗議文を読み上げました。この段階では、抗議行動に対し、美術館側から制止は入りませんでした。本展の出品作家の一人、遠藤麻衣さんらが、血染めを思わせる服を着て、手をつないで歩くアクションを始めると、美術館職員らに声をかけられ、アクションを止めました。

美術館のようなパブリックな空間での表現や抗議のような活動には、賛否両論があります。私が留学しているスペインでは、広場でパレスチナ侵攻に関する展示がされたり、ウクライナの旗を掲げたりしています。通りでイスラエルのパレスチナ侵攻に対して抗議するポスターやステッカーを見かけます。日本よりも表現、抗議の活動がより身近に感じられます。壁や建物のように他者の所有物に許可なくステッカーを貼ったり、時間に関係なく抗議活動を行ったりするような行動は、近隣を悩ましかねません。市民にも分かりやすいようなガイドラインがあれば、より表現活動が活発になり、政治や社会に関心を持つ機会を与えるかもしれません。

今回の国立西洋美術館での抗議活動は、プレス内覧会で行われたため、一般の入館者はいなかったものの、メディアや報道の関係者が来席していたと考えられ、その抗議活動が与える影響力の大きさが想像できます。しかし、他のアーティストや運営側にとっては、全く予期しないものだったのではないのでしょうか。今回、警察官とみられる人物による制止も見られました。より円滑に抗議活動を行うにはどうすればよいのでしょうか。

 

参考記事:

11日付 国立西洋美術館でパレスチナ侵攻などに抗議 企画展の出品作家ら:朝日新聞デジタル (asahi.com)