今月14日から2泊3日の沖縄旅行に行ってきました。人気の国内観光地の一つ、沖縄県。鮮やかな青色の海や、美ら海水族館、首里城、国際通りなど、有名な観光スポットは数多くあります。しかしこの旅行の目的は観光以外にもありました。それは、沖縄特有の基地問題に触れる、ということです。国際法を学ぶ人間として沖縄県に点在する米軍基地や航空機を自分の目で見たい、という思いから計画を立てました。本稿では、学びの場として足を運んだ沖縄について、お届けします。
■道の駅かでな
沖縄県中頭郡嘉手納町に所在する「道の駅かでな」。観光拠点として多くの人でにぎわい、嘉手納飛行場を一望できる展望台や、基地問題について学ぶことのできる学習展示室があります。
嘉手納基地は、極東最大の米空軍基地です。総面積が15.12㎢の小さな町・嘉手納町の面積の約82%を占めています。
嘉手納飛行場は、想像以上の広さでした。お土産屋さんの従業員の話によると、軍用機が飛び立つのは朝で、昼に飛び立つことはあまりないようです。道の駅に到着したのは午後2時ごろ。1時間半ほど滞在しましたが、展望台からの景色に変化の気配はありません。軍用機を見ることを諦め、沖縄育ちのアイス専門店ブルーシールの「塩ちんすこう」アイスを食べていると、雷が落ちたかのような音が響きました。その正体は、離陸する軍用機が発する音でした。
沖縄県に来て初めて見る軍用機でした。基地周辺の騒音問題については記事やニュースを見てきましたが、想像以上のものです。毎朝この騒音が続くのかと思うと、住民の方々の苦労がわかります。
■嘉数高台公園
沖縄県宜野湾市の小高い自然林を利用してつくられた「嘉数(かかず)高台公園」。沖縄県の地理に詳しくないけれど宜野湾市という名前は聞いたことがある、という人は多いと思います。それは、沖縄国際大学への航空機墜落事故や名護市辺野古への移設問題など、報道で頻繁に耳にする普天間飛行場が立地するからではないでしょうか。あいにく、高台公園に設置された展望台は工事中でしたが、臨時の展望所から飛行場を見ることはできました。
高台公園と多くのビルや住宅に囲まれた場所に、普天間飛行場はあります。人々の生活と米軍基地の近さを感じ、普天間飛行場が「世界一危険」と言われている理由を知りました。
ここでは、昨年11月末に屋久島沖で墜落事故を起こしたものと同じ米軍輸送機オスプレイを見ることができます。スマートフォンのカメラではこれが限界ですが、望遠レンズを通すとプロペラまでしっかりと見ることができます。
■沖縄県に足を運んで
沖縄県を訪れるのは今回が初めてです。また筆者は、車の免許を所有していません。車で移動することの多い沖縄県を一人で回ることができるのだろうか、という不安を抱きながら、一人旅に挑戦しました。グルメとショッピングを楽しむことのできる国際通りや、沖縄とアメリカの文化が融合した街・沖縄市コザなど、観光地としての沖縄を満喫することができました。しかし少し視点をずらすだけで、全く異なる沖縄に向かい合います。
沖縄には、他の都道府県と異なる特有の問題が存在します。基地問題だけでなく、相対的貧困率の高さや観光業に依存する経済など。さらに、大規模な地上戦の戦争遺構も多数残っています。今回は嘉手納基地と普天間基地を回っただけですが、米軍普天間飛行場の移設工事が進む名護市辺野古にも足を運びたいです。次回沖縄を訪れる際は、自動車免許を取り、画素数の高いカメラを持って行こう、と決心しました。
福岡県からそう遠くない沖縄です。今後も見つめていきます。
参考記事:
・2024年2月23日付 朝日新聞デジタル 辺野古代執行巡り住民ら提訴
・2024年1月19日付 朝日新聞デジタル 屋久島オスプレイ墜落 防衛政務官「地元の懸念払拭したい」 [鹿児島県]
・2022年5月13日 日経新聞 埋まらぬ本土との格差 データで読む沖縄復帰50年
・2023年10月4日付 沖縄タイムス+プラス 普天間飛行場が「世界一危険」と言われるのはなぜ? 辺野古に「移す」問題点とは?【イチから分かる】
・2018年7月9日付 沖縄タイムス+プラス 【写真まとめ】嘉手納基地で見られる米軍機
参考資料
・道の駅かでな公式HP 道の駅かでな – 嘉手納基地を一望できる沖縄の観光スポット
・ブルーシール公式HP 沖縄のブルーシールアイスクリーム BLUE SEAL
・沖縄県公式HP 沖縄県の戦争遺跡
・沖縄県公式HP 3.普天間基地の概要
・宜野湾市公式HP 嘉数高台公園/宜野湾市