2024年に入り、1か月が経ちました。
もう1か月経ったと感じるか、まだ1か月しか経っていないと感じるかは人それぞれですが、1年の約10%が終わったことになります。
あなたにとって、この1か月はどんな時間でしたか?
そして、これからの時間をどう過ごしたいですか?
筆者にとって、1年の区切りは4月にもあります。学校で新学期が始まるとともに、手帳を切り替える時期であることも理由の一つです。
1月始まりの手帳を使っていた時期もありますが、4月始まりの手帳を初めてみたところ、予想以上になじみが良く、ここ数年は愛用しています。1月にたてた目標を振り返り、整理し直すいいタイミングだからかもしれません。
手帳を選ぶ際には、マンスリー、ウィークリー、デイリーなど様々なタイプがあるうえに、サイズやカバー、デザインなども含めると膨大な選択肢があり、毎年迷ってしまいます。携帯などでスケジュール管理ができるアプリがあることも踏まえると、必ずしも紙の手帳にこだわる必要などないのかもしれません。
ただ、筆者が紙の手帳を使い続けているのは、1つのメッセージカードのためです。
手帳をめくると、
そこにはもうひとりの自分がいる。
忘れかけていた夢や、もがいていた壁、
誰にも話せなかった悩みを
今の自分に語りかけてくる。
そして、また前を向いて、歩き出せる。
2019年能率手帳メッセージカードより一部抜粋
手帳に憧れていた高校1年生の頃、本屋さんでカバーの色に惹かれて手に取ったのが、NOLTYの手帳でした。手帳の役割はテストや部活の用事などスケジュールを管理するだけでなく、過去の自分と現在の自分、未来の自分を繋げることにもあると感じるきっかけになりました。
その後もNOLTYの手帳を選び続け、早5年が経ちました。1年をともに過ごした手帳とメッセージカードは、私にとって大切な宝物です。
手帳と名が付くものはスケジュール管理を目的とするものに限りません。お薬手帳や母子手帳などもその一つでしょう。
横浜市は2024年度の予算案を発表し、市独自の「子育て応援サイト・アプリ(仮称)」に母子健康手帳機能を盛り込むこととしました。妊娠・出産から6歳までの手続きを順次オンラインで申請できるようにするだけでなく、予防接種の通知に加え医師などにアプリ経由で健康医療相談ができるサービスも提供するそうです。この事業には6億500万円が計上されています。
ここ数年、母子手帳のデジタル化が進められており、マイナンバーカードの専用サイト「マイナポータル」では、2020年から妊婦検診や子の健診結果の一部を確認できるようになっています。マイナポータルと連携することで、紙の手帳を紛失し子どもの記録が分からなくなることを防げるメリットがあります。
筆者も、子宮頸がんワクチンを受けようとしたところ母子手帳が見当たらず、探すのに時間がかかった経験があります。必要な時に必要な情報が確認できるようになれば、予防接種の受け忘れや重複を防げて便利でしょう。
ただしデジタル化には課題もあります。マイナポータルで閲覧できる記録の範囲は限定されているうえ、予防接種の記録は自治体に保存義務がある5年分の閲覧に限定されています。また、情報漏えいについてのリスク管理への不安もあります。
手帳の多くは、自分以外の読み手を想定していないまま書き綴られることでしょう。自分のための言葉を大切にしまっておき、自分のタイミングで見返すためにも、厳重な情報管理は不可欠です。一方で、母子手帳は親から子へ渡される記録としての側面も備えています。何十年も継続して保管するには、紙の方が都合がいいかもしれません。
紙と手帳のそれぞれの良さを生かしつつ、手帳とともに新たな1日を歩んでいきたいものです。
【参考記事】
2023年1月30日付 日本経済新聞朝刊 地方経済面 首都圏「横浜市24年度予算案1.9兆円 子育て・防災・脱炭素重点」
2023年11月19日付 日本経済新聞朝刊 「手帳は「おしゃべり」 手書きの1冊、私以上に私を語る-NIKKEI The STYLE」
【参考資料】
マイナンバーカードの利用シーン|デジタル庁 (digital.go.jp)
手書きの子育て記録、母子手帳は「宝物」 デジタル化でどう変わる? [ニュース4U]:朝日新聞デジタル (asahi.com)