増加する電動キックボードの事故。法改正はよかったのか?

先日、少し遅咲きの大学3年になってやっとの思いで運転免許を取得した筆者。入学後すぐに取ればよかったのですが「来年には」と延ばし続けた結果、授業や就活の準備で忙しいこの時期になってしまいました。何事も先延ばしはよくないと改めて思った4か月の教習です。来月からはじまる夏季休業は、事故を起こさないように心掛けてドライブを楽しみたいと思うこの頃です。

超初心者として不安なことがあります。最近話題の電動キックボードへの対応は細心の注意を払わなければなりません。7月の法改正を受け、最高時速20キロ以下などの一定条件を満たした電動キックボードであれば、16歳以上なら免許のない人でも乗れるようになりました。そのため、交通マナーをわきまえず急に車道に飛び出したり、一方通行を逆走したりした話も耳にしています。車のハンドルを握る人にとっては予測がしづらいでしょう。

そんな中で、今月7日には「大阪でアルコール検知された利用者とトラックが衝突」「酒を飲んだ男子大学生が停車中のタクシーに追突」と電動ボードがからむ交通事故が相次いで報道されています。こういった事故に目を向けると、筆者は今回の法改正がよかったものとは考えづらいのです。また、電動ボード以前に普通のキックボードで走っている人を見たことがあるでしょうか。あまり見たことがないのが現実で、乗り方への認知度が低いと思われます。

規制緩和の中で、13日の日経新聞朝刊では、あいおいニッセイ同和損保が電動ボードの速度を自動制御する技術を開発したことが紹介されていました。22年度の事故件数が20年度の約10倍の41件と膨れ上がっています。この開発が今後の事故減少に繋がることを望みます。大学でも電動ボードを利用した通学や通勤への対応を始めています。筆者の通う駒澤大学では、今月4日にホームページ上に「電動キックボードの利用について」というタイトルで「自動車・オートバイでの通学・通勤を禁止しているため、電動キックボードを利用しての通学・通勤も認めない」という告知がありました。

  今月4日の駒澤大学お知らせのスクリーンショット画像

この夏は連日30度越えの猛暑の中で歩くよりも、電動ボードを活用して楽をしたいと思う人がさらに増えることでしょう。安全運転を心掛けるとともに、講習を受け機能を理解したうえで使うことが欠かせません。また、車のドライバーも心して運転しなければなりません。

 

参考記事

13日付日経新聞朝刊(12版)8面(金融経済)速度自動制御技術 開発へ

7日読売新聞オンライン「電動キックスケーターの33歳男性、『飲酒運転』か…トラックと衝突」

7日朝日新聞デジタル「酒飲んで電動キックボード運転容疑、書類送検へ 7月から免許不要に」

参考文献

警察庁「特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について」

LUUP「電動キックボードについて」

駒澤大学「電動キックボードの利用について(通学・通勤)」