代替肉ってまずい? 噂に流されることなく一度食べてみよう

大豆やエンドウ豆など植物からとれる原材料を使い、魚や肉のような味や食感を持たせた「代替魚」や「代替肉」が食卓の主役になる日が来るかもしれない。世界の人口が増えて、本物の魚介類や肉類が枯渇する食糧危機への「切り札」として、代替たんぱく質が注目されている。食品メーカーも相次ぎ商品を売り出している(朝日新聞,2023)。

代替肉と聞いて、皆さんは何をイメージするでしょうか。筆者は、本物の肉ではないという理由で食わず嫌いの側面がありました。そんな偏見を一変させる出来事が、2カ月前のGWにありました。

京都・岡崎公園で開催されていた「京都餃子大作戦」という餃子フェスで、いくつもの餃子店が並ぶ中、ひと際元気な声で客寄せをしている店を見つけました。それが、立命館大学生が運営する「WITH USコネクト」でした。この店では代替肉を使った餃子を販売しており、筆者も口にしましたが普通の肉を使った餃子に引けを取らない、むしろそれよりも美味しいものでした。

そこで、今回は「WITH USコネクト」代表の菅原さんにお話を伺い代替肉について掘り下げていきます。

――初めに、「WITH USコネクト」は普段どのような活動をしているのか。

「2022年に京都の立命館宇治高校で、当時3年生だった私が立ち上げた事業です。環境負荷の低い代替肉を広めて地球温暖化と食糧問題の解決に貢献することを目的としており、主な事業内容は代替肉メーカーと飲食事業者のマッチング、代替肉料理でのイべント開催です。直近では、国内の代替肉メーカー4社の協力を得て、『美味しい代替肉メーカーだけのコミュニティ作り』と『イベント出店/開催』をしています」

――代替肉にスポットライトを当てて活動している訳は。

「環境問題と飢餓問題を同時に解決できることに感銘を受けたからです。
『美味しく』食べるだけで『環境問題と飢餓問題を同時に解決できる』。一石二鳥なスーパーフードだからです!こんなにすごい食べ物は代替肉以外に存在しますか?!しないですよね!だから私たちはスポットライトを当てて活動しようと決めました。『代替肉=まずい』という古い固定概念を覆し、 日本の代替肉メーカーと共に、牛・豚・鶏に次ぐ第4の選択肢として日々の食事に取り入れられる新時代を創りたいと考えています」

――最後に、読者に向けてメッセージを。

「あなたの10年後の生活に、あなたの子どもに、『住める地球』と『美味しいご飯』残しませんか?」

実際の世界人口は昨年、80億人を超えた。インドと中国だけで28億人以上いる。ただ、国連によると、世界の3分の2は人口維持に必要な出生率に達していない国や地域に住んでいるという(朝日新聞,2023)。

代替肉の需要は、冒頭の記事にもある通り、世界総人口が年々増加している今、ますます高まっています。皆さんも「代替肉はまずい」といった思い込みに囚われることなく、一度チャレンジしてみてください。その一口で、きっと世界が変わります。

参考記事
3月4日付朝日新聞朝刊(京都,1) 「エビのフライ、ウニ軍艦…実は植物が原材料 世界市場の拡大予想、新商品が続々」
5月1日付朝日新聞朝刊(京都,1) 「(天声人語)SFの父が描いた未来図」