キャッシュレス決済が進んでも、僕はやっぱり現金だ

「お会計1200円です。」

「あれ、入ってない…、カードは使えないんですよね?」

「はい、申し訳ありません。現金のみとなっております。」

 

中央大学の法学部はこの4月から、多摩から茗荷谷キャンパスに移転した。茗荷谷は学生街ということもあり大学付近にお店が多いので、昼ご飯を外に食べに行くのが最近の楽しみだ。

今日も楽しい昼ごはん、になるはずだった。

 

カキフライ定食を食べて、さぁ会計。財布を開くと入っていたのは400円足らず。現金派を自称する大学4年生の財布の中身とはとても思えない。落とさないために銀行のカードは持ち歩かないようにしている。今思えばコンビニでキャッシングするなど方法は色々あったと思うが、焦りのあまり口から出た言葉は「どうしたらいいですか?」だった。絶対に店員さんの方がどうしたらいいか困ったと思う。結局、名前と電話番号を伝えると「いつ支払いに来てもらっても構いません」と言ってもらい、翌日に支払いを済ませてことで事なきを得た。

 

支払えずにレジであたふたする筆者の姿は滑稽で惨めだっただろう。しかし「キャッシュレス決済が使えたら」、なぜかそんな風には思えなかった。お店からしたらいい迷惑だったと思うが、支払いができなかったおかげで自分にとってその店は思い出の一つになった。

コロナで「非接触」がキーワードになり、コンビニレジも一気に機械化が進んだ。お釣りをやり取りするということそのものは時代遅れなのかもしれない。ただ、筆者がアルバイトをする蕎麦屋は現金支払いのみだが、常連さんからお釣りを貰って、スタッフ一同で「ありがとうございます!」というあの瞬間にこそ、接客業をやっている充実感が凝縮している気がする。

 

経産省の調査によると、2022年度のキャッシュレスでの決済額は初めて100兆円を超えた。また、支払い全体の36%を占め、10年前と比べると倍以上に増えるなど年々右肩上がりで伸びている。地方ではQR決済をうまく利用して地域経済を活性化する試みも始まっている。

今後も脱現金化の流れは進んでいく一方だろう。キャッシュレス決済の方が便利かもしれない、お得かもしれない。それでもやっぱり現金がいい。現金はきっと人と人をつなぐツールだから。

 

参考記事:

24日付 日経電子版 「花巻市がPayPay一点集中キャンペーン 6億円の経済効果」

岩手県花巻市がPayPay一点集中キャンペーン 6億円経済効果 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

10日付 日経電子版 「脱現金化どこまで進む? キャッシュレスを考える10選」

脱現金どこまで進む? キャッシュレスを考える10選 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

参考資料:

経済産業省 「2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました (METI/経済産業省)