タモリが教えてくれた「涙」の意味

「涙 意味」と検索にかけてみると、面白い結果が出ました。涙腺から分泌される液体▽泣くこと▽人間らしい思いやり、そして─。

子供は自分のために大人は他人のために流す、感情のリセットボタン

本当に辞書に載っているのか確認すると、載ってはいませんでした。実はこれ、タモリさんが定義付けしたものなんだそうです。2014年に終了したテレビ番組「笑っていいとも!」で、言葉の意味を自分でつくるワンコーナーでタモリさんが出した回答が先ほどの引用文です。ハッとしました。子どもは自分のために、大人は他人のために涙を流す。なるほど、的を見事に射ているような気がします。

子どもの頃を振り返ると、たしかにそうです。ケガをして涙を流す、怖くて涙を流す。他人のためというよりかは、泣きたいから泣く。自分の感情のままに涙を流していました。一方、大人はどうか。まだ経験はありません。しかしドラマなどを見ていると、感情むき出しというよりかは、しとしとと涙を流している。他人を思ってこそ出る生理現象という印象を受けます。

子どもの涙はそういった意味でも、自分の成長のために欠かせないものなのでしょう。塾職員のこんなエピソードがあります。小学6年生を対象にした一対一の面談。そこでは、ほとんどの子が涙を流すそうです。「もう少し頑張らないと」「ひょっとして、無理だと思ってる?」「集中してやったほうがいいんだけどなあ」。少々キビしい言葉をかけると、すぐに泣きっ面。しかし、それぞれに事情もあります。「友達の誘いを断れない」「どうせ無理と言われてしまう」と、泣きべそをかきながら本音を漏らします。誰にも言えない、一人でかかえこんでしまった秘密を聞いてあげると、子どもはまた安堵からくる涙をポロポロ─。この繰り返しだそうです。この職員の方は言います。

本音を語らせ、感情を表に出させるのはカウンセリングの基本だ。

大泣きした次の日には、みんないい顔をしている。それが嬉しくて「よ~し、今日も泣かせてやろう」と、やる気が沸くそうです。♪涙の数だけ強くなれるよ─という歌もあります。涙には思っている以上に強い効能がある。そう思います。素晴らしいことを学びました。

 

参考記事:14日付 日本経済新聞朝刊(大阪14版)教育面「挑む 新6年生 大粒の涙」

 

私事ですが、本日の投稿をもって「あらたにす」での活動を卒業させていただきます。3年間、学生スタッフとして投稿を続けてきました。貴重な経験をさせてもらい、充実した学生生活を送ることができました。本日分や旧体制の分を合わせ、のべ102もの投稿文を書かせてもらいました。ここまで続けてこられたのは、学生スタッフ、事務局の皆様、そして読者の方のおかげです。3年間、本当にありがとうございました。

T.T