なぜ最近火災についての記事が多いのか考えてみた

寒くなってから、火事の記事が増えた気がする――。今回のテーマは、そんな素朴な「気付き」から始めます。

事件事故欄を読んでいて、最近よく目に付くのが「火事」。社会面には、今朝も「稲沢で住宅火災 3人死亡」という見出しが嫌な炎のように踊っています。

では、実際に火事がよく起こる時期はいつなのでしょうか。

調べてまず最初に驚いたのは、火災の件数です。総務省のデータによると、令和3年における全国の出火件数は、3万5222件。つまり「おおよそ1日あたり96件、15分ごとに1件」発生したことになります。予想以上に大きな数字に、認識の甘さを知りました。

月別出火件数を見ると、新たな発見がいくつかありました。一つは、季節によって火災の件数が確かに異なるということ。二つ目は、1~5月が増加傾向にありますが、いちばん多い月は3月だということです。実際は、冬よりもむしろ、春に増えるのかもしれません。

農林水産省によれば、山火事も約7割が1~5月にかけて集中して発生するのだとか。では、なぜ冬や春に多いのでしょうか。

 

理由の一つには「空気の乾燥」が挙げられます。最小湿度(相対湿度のいちばん小さな値)が約25%を下回ったとき、火事が発生しやすくなったり、広がりやすくなったりするのだそうです。気象庁のデータによれば、東京の場合、1年で最も湿度が下がるのは12〜3月。火災の多い時期と重なります。

相対湿度:わたしたちが一般的に「湿度」と呼ぶもの。飽和水蒸気量に対して、大気中に実際に含まれている水蒸気量の割合を百分率(%)で表した値。

もう一つの大きな理由は「強い風」。風が吹けば、燃え広がる可能性が高くなります。特に春は、いちばん風が強い季節だということが関係しているようです。風については、まだ上手に説明できないので、もう少し勉強を続けようと思います。

地方版を読んでいると、家が全焼したなどという痛ましい記事も時々目にします。一方で、初期消火のおかげで延燃を防いだという喜ばしいニュースを読むことも。今回の記事執筆では、火災の起きやすい季節はこれからも続くと知ることができました。ご近所付き合いを大切に、予防に努めたいです。

参考資料:

総務省消防庁 消防統計(火災統計)
気象庁 過去の気象データ検索