コロナ「5類」 大学の入構制限は緩和されるのか 

20日正午のYahooリアルタイム検索のトレンドワードに「コロナ5類」がランクインしているのを見つけました。岸田首相が20日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを見直し、5類にする考えを明らかにしたことによるものです。 

感染症法では、感染力や罹患した場合の重篤性などから感染症を1類~5類に分類し、講ずる措置が法的に定められています。2019年12月頃に突然現れた新型コロナウイルスは、「指定感染症」として2類相当の措置の対象となってきました。 

2類から5類に引き下げられることによって、現在は公費で賄われていた治療費は自己負担になり、屋内のマスク着用も求められなくなるようです。健康状態の報告や外出自粛の要請は、5類感染症の措置としては定められていません。 

 

東京都港区新橋の桜田公園。コロナ対策として夜間の立ち入りが制限されている(20日、筆者撮影)

 

それでも日々の生活は簡単には変わらないように感じます。明治や東洋など一部の大学では、現在でも入構制限が続いており、学外者は大学の施設を使うことができません。明治大学の図書館は全国各地の地方紙を購読しており、誰でも読めるように書見台まで設置されていますが、閲覧できません。東洋大学名物の種類豊富な学食を利用できないのは残念です。 

筆者が好きな工場見学でも中止になっているところが数多くあります。山梨県北杜市にあるシャトレーゼ白州工場は、現在に至るまで見学を受け入れていません。食品を扱うため感染対策には特に気を配る必要があると思いますが、以前ように見学ができる日々が戻ることを願うばかりです。また、東京証券取引所では、予約なしの自由見学が現在もできません。 

1月に入り第8波のコロナウイルス感染者数が急増しています。先月には、東京都昭島市で17時間の連続勤務をしていた救急隊員が、救急車の運転中に居眠りをして事故を起こしたことが報じられ、医療体制の過酷さが明らかになりました。21日付の読売新聞には5類指定の背景について「5月には広島市で先進7か国首脳会議(G7サミット)が開かれ、各国要人が多数来日する予定だ。政府内には、サミット前に対策を緩和し、マスク着用も原則不要とすることで日本の体面を保ちたい、という考えもあるという」と説明しています。 

コロナ渦が収束しつつあること感じさせる5類指定のニュースではありますが、気を緩めることなく感染対策に気を配る必要があると改めて感じます。 

参考記事: 

21日付 朝日・日経・読売のコロナウイルス関連記事