12月もいよいよ中旬。筆者の住む札幌はすっかり雪景色です。そんな札幌の冬に欠かせないのが「チカホ」。雪道を歩かずに街を移動できる、地下の遊歩道です。
「チカホ」の通路に、一際目立つ大広告があります。黒地に白のレタリング。隣には、水色のユニフォームに身を包んだ野球選手の写真。「北海道ボールパークFビレッジ」のものです。
このボールパークは、プロ野球・日本ハムファイターズの新球場をはじめ、宿泊施設やレストラン、認定こども園や農業学習施設が集まった複合施設として、2023年3月に開業予定です。公式サイトによれば、地域の活性化とコミュニティの形成の場となる「共同創造空間」を目指しているとのことです。
13日付の朝日新聞の地域面に、ボールパークを取り上げた記事がありました。ここでは、ボールパーク開業に関し、札幌市民の一人としての肌感覚をお伝えします。
初めに、アクセスについてです。
ボールパークが立地するのは、北広島市。札幌市の南西に位置します。最寄駅の北広島駅はJR線で札幌駅から約20分。札幌の中心はやはり札幌駅なので、そこから電車一本で行けるのは、大きな魅力だと感じます。
新千歳空港からも、同じくJR線で約20分です。「北広島」というとどこだかわからなくても、札幌と新千歳空港の間くらいに位置すると考えればイメージしやすいでしょう。
北広島駅からボールパークまでは、徒歩で20分ほど。しかし、夏ならばこの通りに到着できるでしょうが、雪のシーズンだともっと長くかかるはずです。雪に慣れていない観光客がスニーカーで歩いた場合、ボールパークにようやくたどり着く頃には、きっと靴がぐっしょり濡れて冷たくなっているでしょう。ちなみに、北広島駅とボールパークを5分くらいで繋ぐシャトルバスが運行予定とのことです。
次に、関心度です。
「チカホ」で大々的に広告を打っていることからも、北広島市と北海道にとって非常に大きなプロジェクトであることがうかがえます。今までも、ボールパーク関連の記事を何度も目にしたことがあります。そのため、札幌に住んでいれば、「ボールパーク」「日ハム新球場」「北広島に移転」といった言葉を聞いたことがない人はまずいないと思います。
しかし、筆者の知る限り、ボールパークの話題が頻繁に上がることも、ましてやその話で盛り上がることもあまりありません。筆者の大学に道外出身者が多いことや、周りに野球ファンがいないせいかもしれません。しかし、道内出身者に聞いてみても「どうなんだろうね?」「まあ行きたいね」くらいの返事しか返ってきませんでした。
もちろん、ボールパークには魅力的な点がたくさんあります。13日付の朝日新聞によれば、日本ハムの本拠地となるボールパーク内の「エスコンフィールド北海道」には、愛犬と一緒に試合観戦ができる席が設けられるそうです。屋外には、犬が自由に走り回れるドッグランや洗い場が作られるほか、里親マッチング会も開かれる予定だといいます。野球場を、野球観戦だけではない総合エンターテイメントにしてしまおうという発想は、とても魅力的に映ります。
地域の人と観光客とボールパークをどのように繋げられるか。今は多少期待値が低くても、開業後は北海道の魅力の一つになってほしいと思います。
参考記事
13日付 朝日新聞朝刊(北海道13版)27面(道内)「愛犬と野球観戦 いかが 日ハム新球場に専用席」
参考
北海道ボールパークFビレッジ 公式サイト https://www.hkdballpark.com/