ゲスの極み〝先生〟/詞曲:育休議員

清原、ベッキー&ゲスに甘利大臣─。スクープ連発の「週刊文春」がまた特ダネを抜きました。「育休国会議員宮崎謙介(35)の〝ゲス不倫〟撮った」。スキャンダルを伝える中吊り広告が踊り、政界は揺れ、渦中の本人は逃げる事態に…。「ホンマどうしようもない男やな、アホ」。文春のスクープを受けての感想です。

宮崎謙介衆院議員(自民、京都3区)は昨年、金子恵美衆院議員(同、新潟4区)と結婚。二人のもとには今月5日、第一子となる長男が生まれました。宮崎議員は妻・金子議員の出産に伴い「育休」の取得を希望し、話題を呼んでいました。衆議院規則は出産のための欠席は認めていますが、育児休暇の規定はありません。「国会議員が率先して取得することで、男性の育児参加が進んでいない現状を変えていきたい」。宮崎議員は現制度に一石を投じ、「イクメン議員」としてメディアにも取り上げられました。

ところが今月9日、宮崎議員はタレントの女性を京都の自宅に招き、一泊していたことが明るみになりました。その〝不倫・密会〟は長男誕生の6日前のこと。事実確認を求めた「週刊文春」の電話取材に、宮崎議員はこう答えたそうです。

「いやいやいや。勘弁してくださいよ。どういう時期か分かってるでしょ!」

この返答から国会議員、ひいては人間としての器量が分かります。政治家としての資質はなく、人間としても最低。とはいえ、宮崎議員は事実を認めたわけではありません。報道を受け、公の場でなんと説明するのか。世間が注目する今月9日、宮崎議員を報道陣は直撃しました。すると、宮崎議員は何も話すことなく逃走。ダッシュで本会議場を後にしました。

「信なくば立たず。政治家は自らの行動を律していく必要がある」(安倍首相)、「(おわびを)100回言ってもらってもどうにもならん」(二階自民党総務会長)。党内からも苦言が続出しています。こんなくだらないスキャンダルで国会審議が滞っては話になりません。加えて、国会議員の育児休暇の議論がしぼんでしまうのも、情けない。どうかこんなバカヤローは隅に置き、建設的な国政運営をしてほしいです。

「女性の社会進出が進む中で、少子化対策をするときに効果的なのは男性の育児参加です」

宮崎議員は自身のブログでそう息まきます。その前に、自分に育休を取る資格があるのか。自らを省み、説明責任を果たすべきです。

 

参考記事:

11日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)社会面「『イクメン』議員 不倫疑惑報道」

同日付 読売新聞朝刊(同版)政治面「『育休』宣言の宮崎議員 女性問題報道で波紋」

同日付 日本経済新聞朝刊(同版)政治面「記者手帳 育休は何のため?」