互いに自然と惹かれ合う、一生愛し続けられる運命の人と出会って結婚し、幸せな家庭を築きたい。私の苗字もいずれは変わるんだろうなあ——
ロマンチックなシンデレラや白雪姫を見て、小さい頃から「結婚」というものは、キラキラとした幸せの象徴だと思っていたけれど、最近は現実的になってきました。今日書くのは、22歳女性である筆者が、友人や人生の先輩と話して抱くようになった「結婚観」。人生経験が浅く、世の中のこと、人についても知らないことだらけですから、これから考えが変わることもあると思います。けれど、小さい頃から染み付いているイメージやその時の気分で、安易に「結婚」に飛び付いたり執着したりしないためにも、今の考えをまとめておこうと思います。
■まず検討したい「関係性に法的根拠を持たせる必要があるのか」
婚姻関係となった二人には、法的に、身分上、財産上の効力が発生します。それらによって、扶養控除などの優遇を受けられるメリットも大きいですが、お互いの自由な行動を縛りかねない義務も生じます。
わかりやすいもので言うと、夫婦同姓にする義務。どちらかが苗字を変えることに伴う負担は考慮すべきです。また、同居・協力・扶助の義務、貞操義務もあります。この義務を果たさなかった場合、関係を解消する離婚請求の根拠になってしまいます。これらは、法律が「しなければならない」と定める強行規定ですから、仮に自分達で「これらの義務を果たさなくても、婚姻関係は解消しない」という契約を結んだとしても、その契約は無効になってしまうでしょう。比較的、自由に生きたいという気持ちが強い筆者は、この義務も窮屈に感じてしまうことがあるかもしれない、と少し心配です。
「夫婦財産契約」を結んでいなければ、所属不明の財産は共有のものになってしまうこともあります。注意しなければ、いつの間にか法的に「二人のもの」と扱われてしまうものも出てくるかもしれません。
法的に結婚することによって生まれる法的効果が、全て自分たちの望むものなのかどうかは、慎重に検討したいと思っています。互いのやりたいことや、関係を解消する際の手続の手間を考慮して、プリナップ(婚前契約)※を伴う婚姻契約という形にする。婚姻関係ではデメリットが多すぎるなら、自分達で関係を明確にする契約をした上で事実婚をする。様々な選択肢を頭に入れておきたいです。
■二人の思う「結婚」は違うかもしれない
なんとなく、「結婚相手」とは「一生を共にする“運命”を感じる人」「何よりも優先する人」「自分を投げ打ってでも守りたい大切な人」のようなイメージを持っていました。でも、自分の性格ややりたいこと、キャリアプランを見つめる今は、「結婚=永遠の保障」ではない、という認識に変わっています。具体的には、「子育てを終えるまで一緒にいる人」「価値観の相違があったときでも、互いの宗教観を理解し歩み寄れる人」「生活を共にすることでクオリティ・オブ・ライフが上がる人」などです。
人生100年時代、やりたいことは変わっていくものだし、長い時間一緒にいれば、譲れない価値観の相違も出てくるかもしれません。もちろん関係を結ぶ前に十分話し合いをしたり、一緒の時間を過ごしたりしたいですが、最悪自分一人になっても子どもを育てられるだけの経済力があったら良いよね、とよく友人と話します。
婚姻契約を結び、つながりが強固になってしまった後に「こういうものだと思ってたのに」とズレが生じてストレスを感じないためにも、互いにとっての「結婚」がどういうものなのか、しっかり文字や言葉にして共有しておきたいものです。
■この気持ちも変わるかもしれないけれど
とは言いつつ、これから出会う人や今一緒にいる人との関係をうまく築くことができれば、契約だけでなく、互いの信頼に頼る部分が大きくなることもあるでしょう。自分達のルールを、わざわざ法的効力のある公正証書の形で作成しなくてもよい。そう思えるほど信頼をおける相手であれば、そこまでお金や労力をかけなくても良いかもしれません。恋愛において、わざわざそれを言語化するのは野暮だ、と言う気持ちもあります。無条件に「一生愛する」と言われれば、精神的に安定し自己肯定感が上がることだってあるでしょう。
けれど、私は自らと自分の子どもを守っていきたいし、やりたいことも諦めたくありません。パートナーのしたいことだって、大事にしたい。キラキラと映っていた夢の「結婚」に安易に飛び付いて、お互いに自分のやりたいことを見失ったり、いつの間にか互いに干渉しすぎてしまったりしないように、様々なリスクを考慮した上で、関係性について考えていきたいなと思います。