就活生 大切なのは 能動性

昨日は成人の日でしたね。新成人の方、旧友と楽しいひと時は過ごせましたか。私立中学出身であることや引っ越したことを理由に欠席した筆者は新成人の皆さんが羨ましい限りです。そんな楽しいひと時を過ごした若者を近いうちに悩ませるものを紙面で発見しました。自分の責任で大きな判断を強いられる初めての経験でしょう。今日のテーマは就職活動です。筆者の経験談も交えながら、就職活動で最も大切なことを考えていきたいと思います。

今朝の朝刊では就活についての連載記事が掲載されていました。生命保険会社で働く女性が内定までの道のりや入社後の業務内容、将来の夢を語り、住宅設備機器メーカーの人事担当者が採用したい人材についてコメントしています。それだけでなく、キャリアコンサルタントが就活生の質問に回答するコーナーもあり、就職活動を終えた筆者も勉強になることも少なくありません。むしろ多いくらいです。今回の質問コーナーでは大学のキャリアセンターに自己分析が足りないと言われ、対策に困った女子学生に、具体的な問題点をキャリアセンターに確認することや適性診断ではなく、自己分析の目的意識をはっきりさせることを提案していました。選考解禁期間が短縮されたこともあり、自己分析はこれまで以上に重要になるとのことです。大きな変更が連続する就職活動、学生もそれに合わせて柔軟な対応が求められます。数打ちゃ当たるという手法ではなく、スマートで戦略性も持ち合わせていくことが必要だと感じています。

紙面で取り上げられていた自己分析、これについて面接で聞かれる企業も少なくないとのことですから、取り組む必要はもちろんあるでしょう。その他にも筆記試験の対策やOB訪問など挙げればきりがありません。ですが、そのような個別の対策よりも、就職活動に大切なことは能動的な姿勢ではないでしょうか。筆者は自分の経験からそう考えています。「競争」と「自立」の2つの側面からその理由を述べていきます。

「競争」という側面では、就職活動は企業の決まった枠を取り合う競争です。列挙した対策も人に言われてから取り組むのでは遅く、ライバルに差をつけられてしまいます。焦って始めた頃には、多くの人がある程度終えていることも少なくありません。これまで以上にスピード感を持つことが求められるのは就活生だけではありません。企業も同じです。対策が間に合ったとしても、スピード感のなさを感じさせてしまえば、評価にも影響してしまうことも考えられます。
次に「自立」という観点から見ていきます。我々は大人になるに連れて自分で判断する場面が増えていくでしょう。お菓子を買うことしかできなかった子供が成長すると、就職先を決めることができるようになっていきますよね。当然その責任も負う必要もあります。自分の人生を決めるのに、周囲の動きを見てばかり、自分で判断しないような人間を企業が自立した社会人候補生として見てくれるはずがありませんよね。

学生でも身に着けられる大人としての資質のない学生、筆者なら絶対に採用しません。採用担当になったつもりで想像してみてください。この2点がなっていないような学生が自社に入社したらどうですか。迷惑ですし、自分の評価にも関わります。ダラダラと流れに任せ、自分で考えようとしない、全体の士気の低下にもつながるでしょう。また、この2点がしっかりできていた友人とそうでない友人、やはり差が出てように感じています。企業の良し悪しは相性があるので、何とも言えませんが、内定が出た時期でくっきり差が出ていました。前者は一流メーカーからすぐに内定をもらった友人もいれば、後者にはいつまで経っても内定がなく筆者に泣きついた友人もいました。就職活動に限らず、前者はこの2点でリーダーシップを発揮し、周囲から信頼されていました。つまり、就職活動に必要なものは人間として必要な資質と同義ではないでしょうか。

とは言っても、なかなかできないのが普通ですよね。筆者も当時は完璧にできていませんでした。「じゃあ、なんでここまでこんな偉そうなことを書いているんだ!」 ということになります。筆者はそういう時にはなんでもいいからやってみるようにしていました。筆記試験の勉強でも、企業研究でも、正解かどうかはさておき、やらないよりはましです。「とにかくやる」 これが能動的な就活生になる第一歩ではないでしょうか。経団連非加盟の企業や外資系の企業は既に採用活動を始めているようです。ひょっとしたら、これを読んでいる間に内定を得た人がいるかもしれません。就活生の方、先輩面をするつもりはありませんが、読み終わったらとりあえず何かやってみても悪いことはないと思いますよ。有名なセリフですが、本当に「明日野郎は馬鹿野郎」です。

参考記事:12日付読売新聞朝刊(東京14版) 19面(くらし 教育面)「就活ON!」より