進めるも止めるも議席数

私の中学校は学年に6クラスありました。生徒会長は2年生の後期のときに決めます。候補者を各クラスで1人ずつ選出します。計6人の候補者から学年内の選挙で3人に絞り込み、そこで選ばれた候補者を対象に全校生徒で投票し、生徒会長を決定します。2回選挙があるのです。最初の選挙でいかに自分のクラス票以外を積み上げるかが重要になります。私もクラス候補者に選ばれ、票の獲得に奔走しました。6人のなかに女性は私だけだったので他クラスの女子の票も得て学年選挙は突破できました。しかし、2回目の選挙で負けてしまいました。選挙で勝つということは難しい。まさに頭脳戦です。

さて、今年の議員選挙はこれからの政治状況や私たちの生活を大きく変えることになると思います。安倍晋三首相は10日のNHK番組で、夏の参議院選挙の争点に憲法改正があると示しました。今の政治を進めるも止めるも、必要なのはやはり議席数です。今日は野党の動きに注目します。

東京・新宿駅。夏の参議院選挙で野党統一候補を支援するために設立した団体「市民連合」が1月5日、初の街頭活動を行いました。主催者発表では5千人が集まったそうです。マイクを持った野党の政治家たちは口をそろえて「ひとつになりましょう!」と言います。聴衆は野党共闘に期待する人が多いようです。現状として、とりあえず野党がひとつになることが最大の目的になっている印象です。安保法制の廃止を実現したい。そのためには議席を確保しなければならない。だから野党共闘だ。そんな理屈でしょう。

でも、選挙区によって強い政党は異なります。例えば共産党と民主党の両方強い県があるとします。日本の考えるべきことは、安全保障だけではありません。景気回復や消費税問題のほうが関心の高い人もいます。新しく選挙権を得た若者は教育制度に注目しているかもしれません。そのまま投票結果に現れるとは限りませんが、政党が拮抗している地区でどういった統一候補を立てるのか、勝てる選挙にするにはどうしたらいいのか。政党は考えていく必要があると思います。いくら共闘したところで、実際の選挙で勝たなければ意味がないのです。政治家がどんなに声高々に「野党一つにまとまっていきましょう!」と訴えても、それだけでは無駄です。

私たち一人ひとりも社会を変えるために選挙にどのように関わればいいのか、真剣に考える年だと思います。

 

 

参考記事:

11日付け 朝日新聞朝刊 東京14版 1面「首相、改憲派 「3分の2を」」

11日付け 日本経済新聞朝刊 東京14版 2面 「首相 「改憲勢力で2/3」」

11日付け 読売新聞朝刊 東京14版 2面「首相 「改憲勢力で2/3」」

6日付 朝日新聞朝刊 東京14版 34面 「参議選へ 「市民連合」始動」