タレント議員に求めるもの

10日に投開票が行われた参議院議員選挙。毎回話題になるのが芸能人や元スポーツ選手などのタレント候補です。

参議院選挙では、比例代表制度で「政党名」と「個人名」のどちらでも投票することが可能です。個人名の投票でも、政党の得票として数えられます。政党にとっては有名人の候補を擁立して得票率を上げることにより、議席の増加を狙うことができるのです。

一方で、こうして当選したタレント議員に対して、政治家と相手の素質や能力について批判的な声が上がることもあります。今回の選挙でも、当選した元アイドルの候補が政策アンケートにほぼ無回答であったことについて苦言が呈されていました。

知名度の高いタレント候補が選挙に出馬し、議員になることについて、私自身は賛成です。さまざまな年代からの認知度が高い人が政策や社会問題への訴えをすることによって、国民の政治への関心が高まると思います。また、国民の代表が議論する国会にはさまざまな経歴を持った人が集まるべきです。その人だからこその視点や声を国政の場に届けてくれると思います。

主な批判として上がる政治家としての能力と資質に関して、重要なことは「議員になってから」の姿勢であると考えます。昨年から国会議員の事務所でインターンをしており、そこで見た議員たちの姿は様々でした。自身の目指す理想のために奔走する人や会議の場で真剣に話を聞き、鋭く批判的な質問をする人。そうかと思えば、席についてずっと居眠りをしている議員もいます。

タレント議員に限らず、熱心な議員から、この人は何をしているのだろうと思うような議員までいる。それが自分が見て感じた国政の現場でした。資質がないとみなされれば、次の選挙で淘汰されていくでしょう。国民の代表である国会議員の振る舞いは多くの人が注目するもの。有名人なら尚更です。選挙で選ばれたからには、客寄せパンダといった批判の声を吹き飛ばすくらいの働きを期待します。

 

参考記事:

7月12日付朝日新聞デジタル「(天声人語)タレント議員たち」

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15353049.html