夏の風物詩、日本が誇る七夕飾り

コロナが猛威を奮って3年、夏の風物詩である「祭り」はすっかり遠い昔の出来事になってしまいました。大学生活も最終学年を迎えた筆者にとって、「今年こそ祭りに行きたい」という気持ちは募るばかりです。

そんな折、嬉しい情報が。最近になって各地で夏祭りが再開されることを新聞で目にしました。中でも今月は、「七夕」を祝う祭りの多さに驚かされました。「湘南ひらつか七夕まつり」「甲府七夕まつり」「清水七夕まつり」などなど。いずれも3年ぶりの開催です。日本人が七夕に特別な思いを抱いてきたことが伺えます。

筆者は今月4日に、仙台市若林区にある「七夕ミュージアム」を訪れました。日本の伝統文化として継承されてきた七夕飾りを、祭りの期間でなくても目にできる貴重な施設です。

仙台といえば、毎年8月6~8日に開催予定の「仙台七夕まつり」が有名でしょう。「日本三大七夕まつり」の1つに数えられ、毎年200万人を超える観光客が訪れる大きな祭典となっています。本日の日経電子版によると今年の「仙台七夕まつり」は、中心街を彩る大型飾りの本数が新型コロナウイルス感染拡大前の2019年実績の7割程度に回復する見通しとなったそうです。開催期間中は街中が色鮮やかな飾りで埋め尽くされます。七夕飾りの審査もあり、「金賞」「銀賞」「銅賞」が与えられます。

「七夕ミュージアム」でも金賞を受賞した飾りが展示されていました。

こちらは、平成22年度の金賞受賞作。家内安全と健康長寿の願いを意味する折り鶴が象徴的です。

平成22年度金賞受賞作(4日筆者撮影)

館内には、くす玉に「吹き流し」がついた竹飾りが5本並んだものが多く見られました。これこそが「仙台七夕まつり」を盛り上げる重要な脇役なのです。

祭りの公式ホームページによると、「吹き流し」は機織りの名手である織姫を象徴しているのだとか。手芸や機織りなどの上達を願って飾られるそうです。上部のくす玉は、昭和21年頃、庭に咲く美しいダリアの花に目を留めた仙台商人が、七夕飾りに応用したという説もあります。

一口で七夕飾りと言ってもバリエーションは十人十色。平成29年度の金賞受賞作は竹細工を前面に押し出したモダンな飾りです。思わず心が踊ります。

平成29年度金賞受賞作(4日筆者撮影)

一つひとつ丁寧に作られている

「七夕」を祝う祭りは、旧暦・新暦による違いから、仙台のように8月に開催されるケースも多くあります。これから足を運ぶ方は、華やかさを楽しむだけでなく、巧みな職人技に想いを馳せてみるのも良いかもしれません。

梅の花をモチーフにした飾りも圧巻

 

参考記事:

本日付 日経電子版 「仙台七夕まつりの大型飾り コロナ前の7割に回復」

参考資料:

「仙台七夕まつり」

飾り | 仙台七夕まつり – 伊達政宗公の時代より続く、日本一の七夕。 (sendaitanabata.com)

「オマツリジャパン」

一年中、仙台七夕まつりの飾りを見られる「七夕ミュージアム」とは?手作り体験も|オマツリジャパン|あなたと祭りをつなげるメディア (omatsurijapan.com)

「シュープレスマガジン」

仙台 |「仙台七夕まつり」夏のビッグイベントを徹底的に楽しむ!|シュープレスマガジン (shoepress.com)