学生にとっては春休みシーズン。期末テストも終わって、バイトしたり、遊んだり。有意義にこの時間を使いたいものです。
コロナウイルスの感染者数が高止まり傾向にあり、なかなかアクティブになれず、家でダラダラなんて過ごし方も、もちろんありでしょう。私もそんなふうに、春休みを送っている1人です。朝はゆっくり起きて、朝昼兼用でご飯を食べる。特に用事がなければ、SNSでも見る。
スマホでの暇つぶし、皆さんはなにを見ていますか?Twitter、Instagram、YouTube、ゲーム、様々な方法があります。基本的に無料で利用できます。楽しく時間が過ごせて、しかもタダ!なんて美味しい話でしょうか!
…と、思いたいところですが、全くもって美味しくはないです。なぜ無料で使えるのか考えれば、それは広告料によって利益を得ているから。YouTubeやスマホゲームでは、いきなり広告画面に切り替わって、スキップボタンが出るまでの5秒間、ぼーっとスクリーンを眺めるなんてこと、もはやあるあるでしょう。最近Twitterでも本編の動画の前に強制的に広告が流れるようになり、ネットの世界には広告が氾濫している現実をあらためて思い知らされました。
たまに「一生におけるトイレでの時間は、3年にもなる」というような雑学を耳にし、しょうがないけど、もったいないなぁなんて思ったりします。その「もったいない」は、スマホ広告にも言えるでしょう。
上のグラフは年代別に見たYouTubeの1日当たりの視聴時間を示したものです。同調査によれば、10代の98%、20代の90%が時間の長短はあるにしてもYouTubeを毎日利用していることになります。YouTubeの主な視聴者層というのは10~20代の若年層だと言えるでしょう。そして、グラフからはこの層の利用時間のボリュームゾーンが1日1時間から2時間であることが分かります。
ここで、この年代の人がYouTubeでどのくらいの時間、動画広告を見ているのかを試算してみたいと思います。なお、この計算は利用者としての筆者の実感に基づくことにご留意ください。
まず、先ほどのデータでは視聴時間は主に1時間~2時間でしたが、ここでは間を取って1時間30分(=90分)とします。次に、同サイトの動画は2、3分のものから何時間という長尺のものまでありますが、1本10分だと仮定します。すると、1日に見る動画本数は9本です。多くの場合、冒頭に10秒ほどの広告が流れ、1日に1分30秒の広告に付き合わされることになります。
「1分30秒」と言われれば、とても短く、なんてことないように思えてしまいます。しかし、週、月、年とスパンを広げていくと、それぞれ10分半、約45分、約9時間と膨大な長さになっていきます。
しかも、この数字は「YouTubeにおける」ものであり、この他にもさまざまな媒体で半ば強制的に広告を見させられている時間があるはずです。画面の一部に表示されるバナー広告を含めれば、スマホ使用中には、ほとんどの時間、どこかしらで宣伝が流れているのではないでしょうか。
あの時間を好きという人はいないと思います。アプリのレビューでは「広告が多すぎてイライラする」という書き込みをよく目にします。
すぐに過ぎてしまう時間だからこそ、あまり気にしませんが、長い目で見れば、「その間に何ができたんだろう」と思ってしまいます。そうならないためにも、電車に乗っている間くらいは、本を読んだり、周りの人間観察をしたりしてみたらどうでしょう。もちろん、スマホの外に目を向け、窓から景色を見るだけでも面白い発見ができるはずです。
参考記事:
朝日新聞デジタル、2月18日「ターゲット広告 グーグルがスマホ履歴追跡を制限 プライバシー保護」
参考資料:
MMD研究所、「1日の平均的な視聴が最も多い年代 テレビは60代が94.7%、YouTubeは10代が98.0%、動画配信サービスは20代が69.2%」