頭髪検査 基準や根拠は何ですか?

今日の読売新聞朝刊の投書欄「気流」のテーマは「髪型」。東京都の男子大学生のものが目に止まった。高校生の時、所属していたサッカー部が全国大会出場を決め、気合を入れるためにおしゃれな美容院でツーブロックに。新しい髪型に満足していたものの、数日後の頭髪検査に引っかかり、髪を短くして職員室に報告に行ったという話だった。筆者に近い年代の人なら、多くの人がこのやるせなさに共感できるのではないだろうか。行事やイベントがある時に、ちょっとおしゃれな髪型にしたい。この気持ちは痛いほどわかる。

学校で行われる頭髪検査。昔からずっとその基準や根拠に疑問を感じている。「頭髪の乱れは心の乱れ」。中学、高校とそう指導され続け、頭髪などの身だしなみが校則通りになっていなければ学生失格、成績まで悪くなってしまうぞと言われんばかりだった。ほんの少し、髪が耳にかかっていると再検査となり、髪を切ってくるように言われた。

どうして頭髪検査をそんなに厳しくする必要があるのか、何をもって決められた基準なのか、先生に尋ねたことがある。「不良に絡まれるから」、「高校生らしくない」。返ってきた答えに唖然とした。一体、いつの時代なのか。「高校らしくないって、大人の勝手なイメージや理想の押し付けじゃないか」。今朝の投書を読んで、そんなことを思っていた高校生の頃を思い出した。

最近は「ブラック校則」として、理不尽な校則が少しずつ見直されるようになってきている。それでもまだまだ、何でこんな決まりがあるのかと叫びたくなるようなものが残っているのではないだろうか。今と昔では、価値観や環境も変化している。最低限のルールは必要だが、時代にそぐわないものは見直されるべきだ。ましてや大人の勝手なイメージや理想を「らしさ」として学生に押し付けることはしてはならないと思う。少しずつでも改善され、筆者のように、意味のわからない根拠にやるせなさを感じる学生がいなくなって欲しい。

ちなみに、筆者が高校生の時に所属していた陸上部は大きな大会の前は坊主にするという謎の伝統があり、嫌々ながら毎年頭を丸めていた。空気抵抗がなくなり、あれはあれで頭がスースーして走りやすいのだが。

 

参考記事:

2月20日付読売新聞朝刊(東京12版)14面(投書・IT) 気流「叱られた初挑戦」