出かけたくなる「県民手帳」、買えるのは今だけ!

今年の手帳は決まりましたか。1時間ごとに予定を書き込めるもの、to doリストでやるべきことを一目で確認できるものなど、レパートリーの多さに毎年悩んでしまいます。日程管理はスマホ1台でという人もいるかもしれません。そこでアナログ派、デジタル派問わずお薦めの「お出かけしたくなる手帳」をご紹介します。

県民手帳をご存知でしょうか。毎年10月末から3月末頃にかけて県もしくは県統計協会から発売されている「県民のための手帳」です。統計調査員の業務に役立てようと、人口や面積などの情報をまとめたのが始まりとされています。北海道、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫を除く41県で発行されており、県庁や県内の書店、コンビニエンスストアなどに置かれています。郵送販売をしている県もあるので、県外からでも買えます。

筆者がその存在を知ったのは、1年前。親元からの仕送りの中に島根県民手帳が入っていたのがきっかけです。出雲大社をモチーフにした観光キャラクター「しまねっこ」と県章が描かれた表紙をめくると、いつもの手帳とは一味違うページばかり。月単位のウィークリーページには行事がカラー写真で紹介されていたり、温泉や道の駅の住所が載っていたりと県民でなくても楽しめる情報が満載です。他にも休日夜間の応急診療所、防災豆知識など、もしものときの備えが見られます。予定を埋めるだけではない、手帳の新しい使い方です。

昨年と今年の島根県民手帳

 

文庫本より小さく持ち運びしやすい(12日筆者撮影)

表紙や内容はそれぞれで、各県の工夫が施されています。青森県は5色の表紙と、津軽地方の伝統工芸「こぎん刺し」模様と南部地方の伝統工芸「菱刺し」模様をあしらった限定版2種を発行しています。福岡県では3サイズを用意。用途や場所によって選べます。もちろん手帳としての機能にも抜かりありません。岩手県は県民手帳の他に、手帳ブランドを持つ日本能率マネジメントセンターとのコラボ商品を。このほとんどが千円足らずで手に入るのも魅力の1つ。手帳欲しさに旅行したくなり、中身を見れば観光したくもなる。41県に足を運び、いつかコンプリートするのが筆者の目標です。

今年は表紙がリバーシブル仕様に

しかし風向きが怪しくなってきました。2022年版を最後に、広島県民手帳の発行が終わるのです。1951年版から70年の歴史です。スマホアプリでのスケジュール管理が普及し、76年版の4万2千部をピークに、近年は1万5千部まで販売数が落ち込んだからです。この状況は他県でも。鹿児島県は99年版の5万2千部以降減少傾向となり、2019年版では2万5千部と半減しています。

全県制覇を掲げた筆者ですが、ここ数年広島には行けていません。デジタル化が進む今、仕方のないことかもしれませんが悲しいものです。県民のための手帳が、県内外問わず長く愛されますように。お住まいの県で、旅行先で手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

参考記事:

9日付読売新聞オンライン「県民手帳が70年の歴史に幕 発行数ピーク時の4割に

 

2020年1月15日付朝日新聞(鹿児島県版)「お手頃で内容充実、でも不振の県民手帳 19年版はピークの半分」

参考:

日経ビジネスアソシエ2013年11号

日経ビジネスアソシエ2016年11号