献血に行こう!

授業を受けに学部棟へ向かう途中、献血車が構内に止まっているのを発見。今まで経験がなかったのですが、この機会に献血をしてみることにしました。食事を終えたお昼過ぎに受けたところ、1時間ほどで完了しました。

(中大に来ていた献血バスの様子)

筆者自身これまで献血に縁遠かったこともあり、協力する人はあまり多くないと思い込んでいました。しかし、実際のところ、待合所にいる間も受付に学生が次々とやってきますし、授業が終わった時間には、10人以上が受付待ちで並んでいるほど賑わっていました。感想は、「案外簡単に受けられる」です。これならその日の気分で気軽に協力することもできそうです。

流れはシンプルで、受付で今日の睡眠時間や渡航歴などを聞かれます。次に同意書などの確認、血圧測定の後に医師の検診を受け、献血を受けられる状態か判定されます。そして、最後に献血です。1つ1つの段階で担当者や医師が丁寧に説明し、質問に答えてくれるので、安心して献血に臨むことができました。

コロナ禍での献血

献血事業も新型コロナウイルスのあおりを食っているものの1つです。去年から献血者は大幅に減少しているそうです。現在、感染も落ち着いていますが、去年は今回のような献血車の派遣のほとんどが中止になっています。

(コロナ禍の献血状況を取り上げた公明党公式HPより)

輸血用血液が使える期間は長くありません。全ての成分を含んだ血液(全血)は採取から21日間、血小板はたった4日間しか使用できません。一定期間に多く採血しストックすることはできないため、継続して献血を受け入れる必要があります。採血中に読んだパンフレットにも2020年の血液製剤の保管庫の写真がありましたが、備蓄分がちらほら見られるといった程度です。「もし私が大量の輸血を必要としていたら…」と思うと、危機感を煽られます。

また、大学のオンライン化も献血者数の減少に大きく影響を及ぼしています。大学がロックダウン状態になり出張型の献血ができなくなったことで、25歳以下の献血が大幅に落ち込んでいるのです。献血を受けた際、友達にも献血を促すように勧めるチラシをもらいました。

(もらったチラシ)

信頼の重要性

「信用」「信頼」は献血におけるキーワードだと痛感しました。献血は一種の医療行為です。日常生活で同意や合意を求められた時、多くの人は長々とした同意説明書を読み飛ばし、二つ返事で了解しているのではないでしょうか。その点、献血での同意確認は丁寧だと感じました。説明書も要点が分かりやすくまとめられ、おそらく読み手が面倒くさくなって読み飛ばさないように工夫しているのでしょう。また、待合所で受付の様子を観察していると、断られる学生が散見されました。おそらく睡眠時間など当日のコンディションに問題があったのでしょう。そのやりとりの中で職員が「ご協力者の申告が全てだから」と言っていたのが多くを物語っていると思います。

私たちからの献血事業者への信用が欠かせないのと同様、献血事業者からの血液提供者への信頼も大切です。採血する側は同意説明書などをしっかり備えていますが、私たちは保険証、学生証ぐらいしか信頼の裏付けを持っていないのです。献血協力者が書き入れた質問事項への回答は、「100%正しいもの」として認識されます。気軽に受けられるにしても、責任ある献血を心掛けなければいけません。2013年に、HIVに感染していた献血者の血液が輸血され、患者がHIVに感染しています。献血は、常に他者への責任を伴っているのだと感じさせられます。

最後に

医療現場の需要に応えるには、全国で1日に約1万3000人分の血液が必要です。献血バスと常設の献血ルームが用意されています。皆さんも気軽に協力してみませんか?

(今回の献血で貰った品々)

 

参考資料:

日本赤十字社、「献血について」

日本赤十字社、「『責任ある献血』へのご協力のお願い」

日本赤十字社、「血液事業の重要なお知らせ」

公明党公式HP、「献血の安定確保 コロナで懸念」、2021年

 

参考記事:

5日付朝日新聞朝刊(東京14版)1面、「がん検診減 遅れる発見」